「TMS治療」に関する、我が友「大瀧療法士」の学術論文

 21日は午後、足立区の「いずみ記念病院」で右手のリハビリ。友達付き合いのような「大瀧直人   作業療法士」から「初めて英文の論文を書いたので、読んでください」と医学雑誌のコピーを貰った。

 大瀧君は勉強家だ。誰よりも早く、病院にやって来て、最後までいる。

 島根県出身(高名な島根県人に知り合いが多く、政治家からタレントまで「親戚扱い」。ご両親も島根県のために活躍されている)

 専門学校東京医療学院作業療法学科卒業後、2010年、いずみ記念病院に入った。途中、彼が慈恵医大病院に出向した頃、外来患者だった僕は知り合った。

 熱心な治療が気に入って、彼が「いずみ」に戻ってから(ちょっと遠いけど)慈恵医大病院ではなく「いずみ」に通い、外来で面倒見てもらっている。

 僕と彼とは「親子みたいな年齢差」だが、彼はもうベテラン。僕が作業療法をサボろうとしても、彼は決して許してくれない(笑)

 お陰で、少しづつではあるが、右手が動くようになっている。

 大瀧君はこれまで、いくつか論文を発表しているが、英文の論文は初めて。

 嬉しかったのだろう。「記念に読んでくれ!」と言われたが、恥ずかしいことだが、英語は不得意で……「よく読めないから、記念として、本棚にいれておく」ということで両者合意した(笑)

 ( TMS(Transcranial Magnetic Stimulation。経頭蓋磁気刺激)に関する論文。「磁気によって大脳を刺激して、大脳の神経活動性を変化させるTMS装置」を使うと、どんな効果があるか?を調べた論文である。脳卒中後遺症に対してTMSを治療的に用い「まだまだ余力のある健常な脳組織の神経活動性を促進して、大脳のもつ神経症状を補う力を最大限に発揮させること」が目標。大瀧君の研究では、発症10年後であってもTMSを使うと、回復期<発症3ヶ月後頃>と同じような効果が上がるらしい)

 この治療は安保雅博・東京慈恵会医科大学附属病院副院長が開発したものだが、国内で2000人ほど行われているらしく、最近では、海外でも注目されているらしい。(大瀧君は安保先生の指導を受けている)

 大瀧君、頑張っている。

 数年前、彼が「留学するか?結婚するか?悩んでいます」と言いっていたが、彼、結婚を選んだ。

 良かった!と思う。

 結婚しても、研究は出来る。しかも、この分野では、日本の方が進んでいる。

 問題は、理学療法士、作業療法士、言語療法士の待遇が医師と比べると低いことだ。

 医療、福祉、介護の面での改革はどうなるのか?

 ちょっと心配だ。

 <何だか分からない今日の名文句>

医は仁ならざるの術,

務めて仁をなさんと欲す

(江戸時代の中津藩藩医,大江雲澤の言葉)