徳洲会を裏切った「名代」の逮捕

 徳洲会事件は、ここへ来て「大疑獄」になるのか、単なる選挙違反事件で幕を下ろすか、微妙な段階に入った。
 新聞では小さなニュースになっているが、徳洲会疑惑のディープスロート、能宗克行容疑者が3日、警視庁捜査二課に逮捕され、今日5日、送検される。
 能宗容疑者は、徳洲会グループの創業者、徳田虎雄前理事長の側近中の側近。法人の事務総長を務め、徳洲会マネーの金庫番だった。
 国会議員の元に、資金を運ぶ「虎雄の名代」のような人物だった。
 ところが、ある時点から、徳田理事長の親族と対立。今年1月、ファミリーが自分を解任する動きを見せると、マスコミを使ってファミリー攻撃を開始した。
 すったもんだの末、解雇されると、彼は、意を決して、徳洲会の選挙違反事件の内部告発者として登場する。東京地検の捜査が始まったのは、それがキッカケ。地検の捜査に全面的に協力した。
 これまでメディアが流した「怪情報」の多くが「能宗発」だったと見て良いだろう。
 これに対し、徳洲会側はグループの資金から能宗容疑者が二億~三億円を横領した疑いがある!と逆に警視庁に業務上横領で告訴した。
 地検は、この「協力者=内部告発者=徳洲会の裏切り者」をどう始末するのか?迷ったと思う。
 その結果、警視庁に逮捕させる道を選んだ。
 その狙いは?
 彼の身柄を確保することで、メディアに情報が流れるのを防ぐことも想像できるが、少なくとも、捜査当局はこの「宝箱」を取り込み、今後、どこまで事件を拡大するか?捜査終了か?を勝手に判断できる環境を作った。
 言い換えれば「捜査当局の手に中にいる裏切り者」をどう料理するか?地検の胸三寸である。
 東京地検は、今までにない「大疑獄」の入り口に立ったのだ。
 大物政治家は「能宗逮捕」にビクビクしているのだろう。
 それにしても、なぜか、5日発売の週刊文春、週刊新潮は(若干の「猪瀬もの」はあるが)ほとんど「徳洲会事件」に触れていない。
 何故だろう?
 4日は、特定秘密保護法の参院ドタバタを気にしながら(半分、諦め気分で)黙々と野暮用をこなした。
 夜、若い競馬仲間と浅草へ。楽しかった。

<何だか分からない今日の名文句>
裏切り者の末路は険しいぞ!