「生の終わり」を考える頃

 北海道紀行の他に、お盆休みは「死に関する本」を読破した。
 一番、興味深かったのは……中村仁一さんの「大往生したけりゃ 医療にかかわるな」。
 中村さんは、老人ホームの医師。最後まで、点滴注射も酸素吸入もいっさいしない数百例の「自然死」を見届けてきた。
 そして、その結論は……「死ぬのはがんに限る」。
 子孫を残す役目を終えたら、人間は「がん死」がお勧め。しかも、治療なし!で。
 3人に1人はがんで死ぬ時代。医者の手にかからずに死ねる人はごくわずかだ。
 がん治療は避けられないが、中村さんは言う。
 治療をしなければ痛まないのに、医者や家族に治療を勧められ、拷問のような苦しみを味わった挙句、やっと息を引きとれる人が圧倒的に多い、というのだ。
 中村さんは、治療をせずに、ガンと共生しろ!と主張する。
 具体例が、実に面白い。
 治療をしなければ痛くない!というのが持論。納得出来る。
 その他に「穏やかな死に医療はいらない」(萬田緑平著)「平穏死という選択」(石飛幸三著)それに、例の矢作直樹さんと中健次郎さんの対談「人は死なない。では、どうする?」
 どれもこれも、面白かった。
 18日朝、北海道から帰京して、長々と昼寝。夕方、コピー機のトナーを入れ替えてから、また、仕事場を後にした。
 風の吹くまま……

<何だか分からない今日の名文句>
悪しきとて ただ一筋に捨つるなよ
渋柿を見よ 甘柿となる