集団自衛権容認派の小松さんが法制局長官に!

 1882年の今日「8月5日」、天皇が主権者であった大日本帝国憲法下の法体系で「戒厳」の態様を規定した太政官布告第36号「戒厳令」が発せられた。
 この法によって、政府が「戒厳」を布告すれば「非常事態措置」が適用されようになった。首都・東京周辺が騒乱状態に陥った二・二六事件にとられた行政措置がこれに当たる。
 今の日本国憲法下の現行の法体系には「戒厳」に関する規定はない。
 が、「武力攻撃事態対処関連三法」の中にある「武力攻撃事態等における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律」が「戒厳」に近似した効力を持つとされている。
 しかし、この解釈には、意見がまちまち。今後、議論を巻き起こす可能性がある。
 この種の安全保障上の「法解釈」の違いは幾つもある。その度に、議論になる。
 そこで、この「法解釈」に大きな影響力を持つのが「内閣法制局」。「法(特に憲法)の番人」と言われる所以である。
 憲法解釈には、法律の専門知識が必要で、首相を補佐する形で、長官が国会で答弁する。その答弁が「政府の公式見解」と位置づけられている。
 この内閣法制局のトップが突然、交代する。
 安倍内閣は、山本庸幸長官(63)を退任させ、後任に小松一郎駐仏大使(62)を充てる方針を決め、8日の閣議で正式決定する。
 これは「事件」である。
 小松さんは外務省出身。法制局長官の後任は、これまで次長がそのまま昇格するのが慣例だった。小松さんは、法制局の勤務経験が全くない。異例の人事である。
 狙いは?
 もちろん「集団的自衛権」にある。
 これまで、内閣法制局は「同盟国が武力攻撃を受けた際、自国が直接攻撃を受けていなくても実力で阻止する集団的自衛権」について、戦争放棄を定めた憲法九条に照らし「国を防衛するための必要最小限度の範囲を超える」と解釈。行使を禁じしていた。
 安倍内閣は、これを変えたい!と思っている。
 集団的自衛権行使容認のため「憲法解釈」の見直しをする。そこで、集団的自衛権行使容認派の「外務官僚 小松」を法制局のトップに据えた。
 あまり知られていないが、小松さんの手足になる「法制局第一部参事官」に、安倍さんに近い「課長級キャリア」が抜擢されている。
 この人事が「日本の明日」にどう影響するか?
 注意深く、観察しなければならないか。

<何だか 分からない今日の名文句>
静かな人事交代は「○○○の手口」?