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20冊の本を残した 「北野麦酒」記者から「定年の挨拶」

  22日、 妙ちきりんな写真集「永遠不滅のレトロスペース」(写真・ムトー清次 文・北野麦酒)なるものが送られてきた。
 
  ガラクタものを大量に集めた「私設博物館」を激写した写真集だ。(1994年6月から坂一敬さんという人物が札幌市西区で運営している「レトロスペース・坂会館」という博物館?入場料無料)
写真集には「モノをして語らしめよ!」というサブタイトルがついている。
 
  何でも噛んでも、モノを集め、何でも噛んでも残す。それが正義だ!と主張する本らしい。
 
  この本を送ってくれた「北野麦酒」さんは産経新聞の記者さん。(もちろん、サッポロビールみたいな名前はペンネームである)
 
  その「北野麦酒」さんは、7月22日還暦を迎え、定年になった。
 
  「定年の挨拶」が同封されている。
 
  本を出版するのが「趣味」なのか、これまで20冊書いた!と告白している。
 
  「貧乏性で、取材したものを全部残したい」と思うと「本」になってしまう。で、20冊になった。挨拶の中で、彼は一冊一冊の思い出を書いている。
 
  で、20冊目が例の「レトロ博物館の写真集」なのだ。
 
  「20冊、全部、売れなかった」と本人と言っているから、そうなんだろう。(実は、彼が本名で書いた「バンクを駆ける青春 ーー日本競輪学校79期生の群像」は購入した記憶がある。あの本は結構、売れたと思うけど)
 
  それにしても、幸せだな!と思った。
 
  人間を取材して、人間が好きになり、本にしてしまう。幸せじゃないか。
 
  最高の記者生活に乾杯!
 
  これからも「売れない本」を出してくれ。
 
  「定年、ご苦労さま!」とは言わないよ。
 
<何だか分からない今日の名文句>
 
「コトバは大地の娘であり
 
モノは天の息子である」
 
(この写真集の腰巻の言葉)