11月4日で「坂本堤弁護士一家殺害事件」から32年。また泣けた。 

 毎年「11月4日」になると、落ち込んでしまう。

 1989年(平成元年)の「その日」、オウム真理教の幹部6人が、オウム真理教問題に取り組んでいた弁護士・坂本堤さん(当時33歳)とその妻子合わせて3人を殺害したのだ。

 堤さんは、この年の5月から、オウム真理教の反社会性を批判・追及して「オウム真理教被害者の会」を組織していた。

 同時に、僕が編集長だった『サンデー毎日』も「オウム真理教の狂気」という特集をスタート。オウムと闘った。

 オウムはこの特集に反発。後で分かったのだが、毎日新聞社本社の爆破を計画したらしい。

 2トントラックに爆弾を搭載し、輪転機があるパレスサイドビルディング地下階に突っ込んで爆発させれば、サンデー毎日の出版を停止できる!と思ったらしい。

 それが出来ない!と知ると、オウムは編集長の僕を殺害(ポア)しようとした。

 彼らは、帰宅途中に僕を抑え込み殺害するという計画。だが、11月3日、早稲田祭もあって、僕は帰宅しなかった。

 そこで麻原は「牧太郎ではない。坂本弁護士である」と言って突然標的を坂本堤さんに変更した。

 こうして、惨事が起こった。

 毎年、この日になると、落ち込んで……。

 この事件を風化させては行けない!とは思っているが、正直なところ、この事件を忘れてしまいたい。

 あれから32年。

 教団の不正を坂本弁護士と一緒に追及していた家族の会の長岡代表も83歳。一家への墓参りを今年で最後にする!らしい。

 麻原も死刑になった。

 歳月は長いようで、短いようで。

 悲しみだけが残っている。

<何だか分からない今日の名文句>

みんな「流星」になる