火事場泥棒のような「地震→緊急事態法」の官房長官発言

 被災地の皆さん!お見舞い申し上げます。言葉もありません……ただただ、頑張って下さい!という以外、ありません。

 でも、感動しています。5分、10分ごとに余震が続く中、生きた心地がしない!ハズなのに、皆さんは食料を受け取る時にも整然と列を作り、文句一つ言わない。その姿をテレビで見て、感動しています。日本人は理知的な国民。頭が下がります。
 
 それにしても……「今までの経験則から外れている」と専門家がいう熊本地震。不気味です。
 
 14日夜の最初の地震は日奈久(ひなぐ)断層帯の北部で起こりました。16日未明の「専門家がいう本震」は、その北東側の布田川断層帯で起こりました。
 
 その断層帯から北東にある阿蘇地方で、午前3時台にM5・8の地震が2回発生。さらに北東の大分県中部でも午前7時すぎにM5・3の地震が起こりました。「前震」とか「本震」とか、分けているようですが、これは「別の地震」ではないのか?と素人の当方は考えてしまいます。
 
 相次ぐ地震の震源は「別府―島原地溝帯」と呼ばれ、多数の活断層が溝状に存在しています。さらに北東には、四国を横断し紀伊半島に延びる長大な活断層「中央構造線断層帯」が連なる。不気味ですよね。
 
 でも、もっと不気味なのは官房長官の「緊急事態法」発言の方ではないでしょうか?
 
 15日の記者会見。「ニコニコ動画」の記者が「早急な緊急事態条項の検討の必要性について、どうお考えになりますか?」と質問すると、菅さんは用意した文面をサラリと読み上げました。
 
 「憲法改正については、国民の理解と議論が深まることが極めて重要であるというふうに思っております。そういう中で、今回のような大規模災害が発生したような緊急時において、国民の安全を守るために国家国民自らがどのような役割を果たすべきかを、憲法にどのように位置付けていくかということについては、極めて重く、大切な課題であるというふうに思っています。具体的には、国民的な議論と議会の深まりの中で、おのずと決まっていくんだろうと思います」
 
 緊急事態法をご存知でしょうか?
 
 自民党は2012年に発表した改憲草案(「日本国憲法改正草案」)で、自衛隊を「国防軍」などとする案と並んで、「緊急事態」の章を追加しています。
 
 外部からの武力攻撃、内乱などの社会秩序の混乱が起こった時、地震など大規模自然災害の時、首相が「緊急事態」を宣言することが出来る、という規定なのです。
 
 首相が緊急事態を宣言すれば、内閣が「法律と同一の効力を有する政令を制定することができる」とか、首相が「地方自治体の長に対して必要な指示をすることができる」とか、書いてあります。
 
 要するに「戒厳令」の復活なのです。
 
 大災害を理由に時の権力者は「反対勢力」を取り締まる!これが自民党の改憲案の狙いなのです。
 
 日本人は温厚で、理知的な国民です。大災害にも冷静に対処しています。なぜ、緊急事態法が必要なのですか?
 
 自治体側は「各々の現場の判断」で敏速に対応したい!と考えているのに……災害を理由に、国家権力の肥大化を図ろうとする。不気味ではありませんか?
 
 何が起こっても「改憲」に結びつけ、真っしぐらの安倍政権。この暴走を止めなくては……日本はまた「闇の時代」に突入してしまいます。
 
 国民は冷静に災害と向き合っているのに。

<何だか分からない今日の名文句>

理性の国民、狂気の政権