「フセインの墓」→「土葬」→「散骨」……

  「墓場」には、墓地(埋葬される場所)と刑場(殺害される場所)の2種類の意味がある。
 ほとんど寝ないで、仕事に夢中になっていた30から40歳ごろ、毎日新聞のビルを見上げながら「今死んでも良い。ここが俺の“墓場”だ!」と思っていた。
 47歳で脳卒中で倒れ、命は取り留めたが、半身不随。バカなことしたものだ。
 ロクな仕事も出来なくなり、毎日が「墓にいるような気分」になった。(もちろん、今は元気溌剌!)
 「墓」って、何だろう?
 24日夜、韓国ドラマ「剣と花」を全20話、見終わった。
 このドラマでも、何度となく「墓場」が登場する。
 王様の骨が盗まれる場面、お姫様が埋められた墓の前で、主人公が狂ったように泣く場面。(実は、墓は空っぽ。お姫様は生きていた)
 「墓」はドラマだ。
 24日、カイロの秋山信一記者が、イラク北部ティクリート近郊でサダム・フセイン元大統領の墓地が破壊されているのが見つかった、とレポートした。
 このあたりは、イスラム過激派組織「イスラム国」(IS=Islamic State)との交戦の末に、最近、政府軍とイスラム教シーア派民兵などの混成部隊が制圧したが、どんな経緯で破壊されたのか。
 シーア派民兵の一人は「ISは爆弾を墓地周辺に仕掛けて、待ち伏せ攻撃を図った」と話しているが……。
 フセインは、2003年のイラク戦争で米英軍の攻撃により約24年間維持した政権の座を追われた。03年12月にティクリート郊外で拘束され、06年12月にシーア派住民の大量虐殺の罪で有罪が確定し、死刑となった。
 フセイン政権下で抑圧されたシーア派や少数民族クルド人は、フセインを憎悪している。
 土葬だったのか?それも気になる。
 イスラム教ではキリスト教同様、最後の審判の教義により、生前の肉体が失われることになる火葬は禁忌なので、土葬が行われている、と聞いたが。
(日本では、天皇、皇族に関しては基本的には土葬であり、陵(墓)が築かれ埋葬される。しかし、皇后を除く皇族は、1953年(昭和28年)に薨去した秩父宮雍仁親王以降、本人の希望で火葬される例が増えている)
 いずれにしても、人間、必ず死ぬ。
 墓に入るか?散骨にしてもらうのか?
 桜が開花したのに、ちょっと考えてしまった。

<何だか分からない今日の名文句>
生きてる「時」より「墓の中」が長い