近藤利一さんが2億5000万円で

 15日、日本最大のサラブレッド市場「セレクトセール」の当歳馬セールで 上場番号403、ディープインパクト産駒の牡馬「アゼリの2014」が2億5000万円で落札された。
 映像を見ると、セリは1億円の大台からスタート。1000万きざみで2億に到達。その後も、特徴のある「威勢のいい声」がリードして、最終的には2億5000万円で落札された。
 父親のディープインパクトは、競馬ファン以外にも、知られている名馬だから、説明を省くが、母・アゼリも、稀に見る女傑である。
 アゼリは1998年5月6日生まれ。
 父 Jade Hunter 母 Zodiac Miss
 母の父 Ahonoor
 アゼルバイジャン共和国のバクーにある航空チェックポイントの名称から命名されたが、ともかく、、速い。飛行機のように速い。
 現役時代に米国でGⅠを11勝。獲得賞金407万9820ドルはゼニヤッタに抜かれるまで北米牝馬記録だった。
 引退後、繁殖馬になったが、2009年、ノーザンファームの代表者である吉田勝己に落札され、日本で繁殖生活を行うようになった。
 2010年、アメリカ競馬の殿堂博物館は、アゼリの競走成績を評価して、殿堂入りを発表した。
 その女傑の子供を落札したのは誰か?
 あの「威勢のいい声の主」……「アドマイヤ」の近藤利一さんだった。
 (冠のアドマイヤは英語で「賞賛」という意味らしいが)賞賛に値する見事な落札ぶりだった。
 近藤さんは個性的な馬主さんである。「自分勝手な言動」もあって、敵も多いと聞かされたこともあるが、ともかく、彼は「競馬」を愛している。馬主としては一流だろう。
 1996年にアドマイヤボサツで初めて中央競馬の重賞(平安ステークス)を制覇して以来、次々に、名馬を手に入れる。
 1999年にアドマイヤベガでダービーを制してからは、毎年のようにGⅠI競走に所有馬を送り出してきた。
 2005年には、GⅠ競走21レースのうち15レースに出走を果たし、リーディングオーナーランキングでも個人馬主としては1位になった。
 ところが……ここ2、3年、あまり「活躍」を聞かなかった。彼の馬も走らない。所有馬も激減した。
  一部には、近藤さんの本職が苦戦しているのではないか?と言う噂もあった。(近藤さんは、建築会社の社長で、阪神大震災の際、莫大な収益を手にした、と言われたこともある)
 「アドマイヤの時代は終わった」という声も聞いた。
 それが、どうだろう。
 不振の近藤さんが2億5000万円を投じて、「名馬の子供」に賭ける!
 正直、意外だった。
 近藤さんは蘇ったのか?あるいは「誰かの代わり」に名義上「馬主」になったのか????
 もう一つ、彼には「隠れた話題」がある。
 2007月4月の香港クイーンエリザベスⅡ世杯。武豊が近藤さんのアドマイヤムーンに騎乗したが、3着に終わった。
 後方2番手追走から直線で大外を回って追い込んだが、届かなかった。
 レース後、近藤さんは激怒した。
 「何だ、その積極性のない競馬は!」と武を叱責したというのだ。
 それ以来、近藤さんは武を自分の馬には乗せなくなった。
 それが、最近、「仲直り」したという噂がある。
 近藤さんに「何か」が起こったのか?
 興味深々ではないか。
 ちなみに、この「セレクトセール」の落札総額は125億7505万円で、過去最高。
 ここでも、バブルを感じる。

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