「粉瘤」って何だ?

 「俺は病気のデパートだ」と冗談まじりに話している。
 子供の頃は腺病質。健康学園に入れられたこともあったけど、新聞記者になってからは、かなりの無理が出来た。先ずは人並みに健康。
 仕事が面白くて、身体検査をサボっていた。
 47歳で脳出血。右半身麻痺の後遺症が残った。それ以来、病気のデパートになってしまったような気がする。
 高血圧、糖尿病、目は白内障、入れ歯、年相応の軽い難聴……それに、肺に「磨りガラスのようなカゲ」のがあるから「肺がん」の疑いもある、と嚇かされ、6年前から、年に一度、CTでの検査が義務付けられて居る。(多分、ガンではない!と思うけど)
 ともかく「病気のデパート」。
 だからと言って、まあ、それなりに楽しく生活している。 要するに「病気と共生」すれば良いだけ!と「デパートの主人」は達観して居る。
 こんどは「おでき」だった。背中に「できもの」が出来たことに気づかなかった。痛くも痒くもなかった。
 自分で見ることのない「背中」。これは「死角」である。
 「親指の先」ぐらいになって、周囲に指摘された。
 皮膚科に行ったら 「粉瘤」(アテローム)と診断された。
 「粉瘤」はできもの一種。中央に小さな穴があり、そこを押すと臭くて白い粥状の物が出るのが特徴なんだそうだ。
 この粥状の物は脂肪のカタマリと言われが、実は垢のカタマリ。
 化膿して赤く腫れ上がり強い痛みを生じる、という。
 今日7日、手術することにした。それにしても、医療費は嵩む。
 病院に行くと「病気のデパート」のような人が何人もいる。本人の負担も大変だが、国の負担もバカにならない。
 白内障の手術から7ヶ月。また、国のお世話になるのが、申し訳ない気分。
 でも、かなりの高額な税金を払って居るのだから、まあ、当たり前か?
 それにしても、どんな小さな手術でも、メスが体に入るのは、嫌なものだ。「病気の百貨店」は廃業したいんだけど。

<何だか分からない今日の名文句>
「デパート」は病上手に死に下手