「そんな先のことは分からない」

 大雪後遺症。14日、柳橋の「上り口」で、タクシーが立ち往生。20分ほど、閉じ込められ、仕方なく必死に歩き、何とか、生還したが……右半身麻痺の一級身障者。転ばなかったのが奇跡のような気もして……15日は快晴なのに、外出が怖くなった。
 15日は一日中、仕事場に篭って、ボサッと過ごした。夜、サンケイの宗ちゃんと「大作」で。一杯飲むつもりだったが、これもキャンセル。
 宗ちゃん、意気地のない男で、ごめんなさい!
 で、DVDで、例の「カサブランカ」を二回も見た。
 「もうダメか!」と思った時とか、へんな経験をした時とか、何故か「ローマの休日」か、「カサブランカ」が見たくなる。不思議だ。
 「ローマの休日」は「新聞記者になろう!」と思った映画だから、これまで10回は見ている。
 「カサブランカ」は、僕が生まれる、ちょっと前の作品。ヤクザっぽいのが好きだ。
 舞台は、第二次世界大戦の1941年12月。親ドイツのヴィシー政権の管理下に置かれたフランス領モロッコの都市カサブランカ。
 ドイツの侵略。ヨーロッパの戦災を逃れた人々は、中立国のポルトガル経由でアメリカへの亡命を図ろうとしていた。
 その街で、アメリカ人男性のリック(ハンフリー・ボガート)は、パリが陥落する前、理由を告げずに去った恋人イルザ・ラント(イングリッド・バーグマン)と、彼が経営する酒場「カフェ・アメリカン」で偶然に再会する。
 この洒落た酒場の雰囲気が大好きだ。バーグマンの美貌、それに、リックの名セリフ。全部、大好き。何度も何度も見たくなる。
 一番好きな名セリフ。
 ちょっと蓮っ葉な女がリックに聞く。
 「ゆうべはどこにいたの?(Where were you last night?)」
 「そんな昔のことは憶えていない(That’s so long ago. I don’t remember.)」
 「今夜逢ってくれる?(Will I see you tonight?)」
 無表情なリック。
 「そんな先のことは分からない(I never plan that far ahead.)」
 “そんな先”のこと?
 そうだろうな、一時間先の事さえ分からないのが、戦時下?男と女?
 ああ、男はこうこなくっちゃ!
 16日、午前中の筋トレから、動き出すか?

<何だか分からない今日の名文句>
Here’s looking at you, kid.
(君の瞳に乾杯!)
<歴史に残る名翻訳>