さしこ、小沢妻…スキャンダルは「時代の鏡」

 週刊文春が元気が良い。
 14日発売の週刊文春の最大の“売り”は「小沢一郎 妻からの『離縁状』だと思っていたが……それ以外にも、大きな話題になっている記事があった。
 AKB48の指原莉乃(19歳)の恋愛スキャンダル?
 「AKB48選抜総選挙」で4位と大ブレークした“さしこ”の元カレと名乗る男性が暴露している。
 僕にとっては、どうでも良い話で、読み捨てたが……16日未明のニッポン放送「AKB48のオールナイトニッポン」に“さしこ”が生出演して「友達だったことは本当です!」と涙声で謝罪してみせた。
 一緒に出演した総合プロデューサー秋元康が“処分”を発表。福岡市を拠点とする姉妹グループHKT48への移籍を命じたらしい。
 AKBでは「恋愛はご法度!」だから処分? らしい。
 秋元流の純情路線の発露? お上手だ。
 週刊誌の記事にも反応して「青春は美しいもの」を演出する。
 AKBって、やるじゃないか!
 スキャンダルは「時代を映す鏡」だが、スキャンダルを逆手に取る手法も「時代の鏡」である。AKBは時代を先取りしている。
 それに引き換え、一級品のスキャンダル記事「小沢妻の反乱」を取り巻く環境は大分、違う。
 何やら「臭いものに蓋!」という圧力が掛かっているのか? このスクープを 矮小化しようとする向きがある。
 まだ、読まれていない人もいると思うので「小沢一郎 妻からの『離縁状』」の粗筋を書いておこう。
 小沢さんの和子夫人が、昨年11月に地元・岩手県の複数の支援者に「離婚しました」という内容を綴った手紙を送っていた。
 便箋11枚にも及ぶ長い手紙。和子夫人は、昨年3月の東日本大震災後の小沢元代表の言動について触れ「このような未曾有の大災害にあって本来、政治家が真っ先に立ち上がらなければならない筈ですが、実は小沢は放射能が怖くて秘書と一緒に逃げだしました。岩手で長年お世話になった方々が一番苦しい時に見捨てて逃げだした小沢を見て、岩手や日本の為になる人間ではないとわかり離婚いたしました」と書いている。
 小沢さんの愛人や隠し子の存在。隠し子の存在を知ったとき、小沢さんは謝るどころか「いつでも離婚してやる」と言い放ち、彼女は自殺まで考えた。
 それでも、離婚しなかったのは「小沢が政治家として、いざという時には、郷里と日本の為に役立つかもしれないのに、水を差すようなことをしていいのか? という思いがあり、私自身が我慢すればと、ずっと耐えてきたが、大震災の後、小沢の行動を見て岩手、国の為になるどころか害になることがはっきり分かった!」 と書いた。
 痛烈な妻の反乱である。和子夫人は放射能が怖くて故郷を捨てた「小沢さんの正体」を暴いて見せた。
 衝撃的な内容だった。この記事は歴史に残る「一級の歴史資料」になるだろう。
 筆者の松田賢弥君は岩手県北上市出身。業界紙「新文化」記者を経てジャーナリストとなり、僕が編集長だった頃、フリーライターとして、サンデー毎日に何本か書いていた記憶がある。その後「週刊現代」を中心に執筆活動を続行。最近は「週刊文春」を舞台に、小沢ものを執拗に追いかけている。
 著書に「闇将軍―野中広務と小沢一郎の正体」(2003年)「無情の宰相 小泉純一郎(2004年)」「逆臣 青木幹雄」(2008年)「小沢一郎 虚飾の支配者(2009年)」「角栄になれなかった男 小沢一郎全研究」(2011年)などがある。
 地道に取材する男である。その執拗さが、歴史に残るスキャンダル報道に繋がったのだろう。世の中をひっくり返すスクープである。
 ところが……発売直後の14日早朝、一部、テレビで、この記事が放送されたが、その後、ほとんどのメディアは、このスキャンダルを無視している。
 理由は分からないが、想像するに……
 ①この手紙の筆跡に疑問がある? というニセモノ説
 ②私信を発表して良いのか? という報道倫理説
 ③政争の道具になる? から報道すべきではない、という報道の中立説……
 色々、理由をつけて、週刊文春を後追いしない。
 そんなバカな話はない。
 小沢さんは「危うい政治家」である。全て「私利私欲」である。動く。気に入らないと、日本の政局を混乱させる。
 この20年あまり、永田町を「政治ごっこ」の舞台にしてしまった男である。
 その「偽りの実力者」がどんな人間なのか? その正体を書き留めるのが、平成の政治ジャーナリストの仕事ではないか?
 僕は、消費税増税に反対だ!
 何故なら、今、増税すると税収が落ち込むからだ。タイミングが悪すぎる。だから反対だ。
 しかし、それと、小沢一郎の主張は関係ない。
 小沢さんの魂胆は「増税反対」を利用して、政局を混乱させ、生き延びようとする。うまく行けば、政局再編で、主導権を握ろうと画策している。
 増税で、庶民が苦しむ! なんて、小沢さんは思っていない。
 何しろ、4億円のタンス預金で、不動産を買う政治家である。中国のご機嫌を取るために天皇陛下の会見を要求する人物である。
 そんな「小沢一郎の正体」を多くの人に分かって貰いたい。
 心のあるジャーナリストには「小沢妻の命がけの反乱」を伝えて欲しい。
 今日発売のサンデー毎日「牧太郎の青い空白い雲」では(チカラにならないとは思うが)「妻の反乱!次は税務調査で加齢臭・小沢にトドメ!」を書いた。読んでくれ!

<何だか分からないが今日の名文句>
ジャーナリストは「脱力感」に負けるな!