命を掛けるのは「若者に仕事を!」

 19日閉幕した主要8カ国首脳会議(G8サミット)。議長のオバマ米大統領は「今日、ここにいる全ての首脳は成長と雇用が最優先との認識で一致した」と強調。議長声明で、G8が緊縮財政一辺倒の路線を軌道修正したことを明言した。
 7分の声明発表では、ほとんどが経済問題。「雇用」を8回、「成長」を9回繰り返す。その一方「財政再建」を指すことばは3回にとどまった。
 雇用創出が全て?
 大統領選で劣勢を伝えられるオバマ陣営。オバマの言い分は全て「大統領選絡み」と見る向きは多い。
 5月8日のブログで「同性婚が大統領選の焦点に。日本は?」で、オバマは「奇妙奇天烈の秘策・同性婚」を持ち出す!と予想したが……翌日の9日、オバマはABCテレビのインタビューで「同性カップルの結婚は認められるべきだと思う」と宣言。当方が予想した通りだった。
 全ては大統領選絡み?
 だから、今回も「オバマはG8を舞台に”雇用”を重視する選挙運動を展開した」という大新聞の分析もあながち間違いではないが……むしろ、先進国の共通の悩みは「雇用」であることを指導者が認めたことに意味がある。
 <当方、オバマ贔屓。ちょっと、褒めすぎかな(笑)>
 実は、今日(21日)東京都内で発売されるサンデー毎日の「牧太郎の青い空白い雲」(18日締切)で「日本病の今、命を掛けて若者に仕事を!」という時評を書いた。
 「雇用」を生み出さなければ日本も潰れる。
 野田さんが命を掛けるのは「消費税増税」ではない。「雇用創出」である。
 東日本大震災や円高で企業が新卒採用を絞り込んでいる結果でもあるが、15?24歳の若者の失業率は11年平均で8・2%。惨憺たる数字ではないか?
 そんな時に消費税アップなんて、冗談じゃない。
 だと言うのに、大手メディアは消費税増税を支持?おかしいじゃないか。
「増税より雇用!」を国民運動にしなければ!セツなる思いだ。
 ちょっと長くなるが 5月16日のブログ「 新聞記者がストリッパーで何が悪い!」で、読者のFさんから、ご批判を頂いた。
 <何だか分からない今日の名文句>で「マルクス主義は消えた!」と不用意に書いたことに対する批判。もっと丁寧に書けば良かった。
 まさに、言われる通り。で、大切な分析なので、Fさんには勝手だが、ここに引用させてもらう。
 いつもブログや毎日新聞紙上で、読ませていただいております。
とくに毎日新聞は親の代からの購読で、私の社会を見る目、世界を読み解く目の柱となっていると思います。
 さて16日のブログについて、一点思うところがございましたのでメール差し上げました。
 アメリカの記者解雇事件についての牧さんの見解や専業記者批判には、まったく同感です。
また若者の非営利団体で働く傾向についてもその通りだと思います。
 ただマルクスの疎外論が、すでに彼らには無効であるとお書きになっているように(最後の名文句からも)読みましたが、
マルクスについてとくに勉強した年代でもない私(1973年生まれ)ですが、ちょっと違和感が残りました。
 つまり、確かに疎外としてではない労働を目指し、それを実現する若者も多いのだと思いますが、一方で牧さんもご指摘の通り失業したりニートになる若者も多いです。
 そしてまさに彼らは、近代の労働観から無縁なのではなく、むしろそれをあまりに深く内面化してしまったがゆえに苦しんでいるのではないでしょうか?
 ニートの増加などは、私には「いやいや働く労働者」観以外の見方を知らず、それを内面化してしまった若者の問題だと感じます。
 そういう意味で「マルクス主義は消えた!」というほど楽観的なのだろうか?むしろマルクスが告発したイギリス労働者の状態よりも、内面化という意味ではより事態は深刻なのではないかとさえ思えるのです。
 そしてその最大の要因には、「キャリア教育」をどんどん低学年化させている日本の教育の姿があります。
 それは先生のせいでも文部科学省のせいでもなく、私たち大人が「あきらめている」からではないでしょうか?
 その姿を見て、賢い一部の子達は牧さんのご指摘どおり新しい働き方へと向かい、多くの子どもたちは社会に出る前から、労働に絶望しているのだと思います。
 だからこそ、従来の労働組合では無力なのではないでしょうか?
いまブログを読んですぐに書いたので、認識の間違いや何より読み取り方の間違いがあるかもしれません。
 もしそうでしたらまことに申し訳ございませんが、いつも楽しみつつ考えさせてもらえる牧さんのブログへのエールもかねて、メールさせていただきました。
 末尾になりましたが、お身体にはどうぞお気をつけになられて、これからもたくさん読ませてください。
失礼いたします。F。
 名前を出して良いのか、迷ったので、Fさんにしたが、Fさん、的確なご指摘、ありがとう。
 さて、オークス。外から追い込んだジェンティルドンナが圧巻の末脚で先団を捉え、そのまま後続を突き離す圧勝。桜花賞1、2着の間に割ってはいるのはベニサクラと信じていたが……ああっ、また外れた。
 ダービーで取り返すぞ!(オークスの売上げが9・9%アップ。嬉しいこともある)
 さて、世紀の金環蝕まで、あと2時間。野暮用先のフクシマでも、見えるのかな?

<何だか分からない今日の名文句>
仕事は人生最大の「お宝」