電力の守護神・ 上賀茂神社の「式年遷宮」

 26日昼 野暮用の合間に、京都の世界文化遺産「上賀茂神社」を参拝した。
 「雷(いかづち)」の御神威。上賀茂雷神社とも呼ばれる。
 厄を祓い、あらゆる災難を除き給う! と言うので、大震災後「パワースポット」として改めて注目? されている。
 落雷除・電気産業の守護神。友人に電力マンが多いので、彼らの昨今の「苦しみ」が少しでも和らげれば……と思い、祈った。
 電力は国策である。エネルギーは国民の「力」である。
 国は原子力発電という国策を推し進めていたのに、一度、事故が起こると「全て電力会社の責任!」を決めつける。あまりに無責任だ。
 電力マンは歯を食い縛って耐えている。
 我々、新聞人は「東京電力の失敗」を批判しているが、僕は同時に「電力マンの努力」に敬意を払っている。電力マンの努力で(医療分野も)貴重な「命」が守られている。ありがとう。
 頑張れ! 電力マン!
 「式年遷宮」というポスターが張ってあった。
 「遷宮(せんぐう)」とは、神社の本殿の造営または修理の際に、神体を従前とは異なる本殿に移すこと。
 「式年」とは「定められた年」という意味で、定期的な修理を言うらしい。
 上賀茂神社では、21年ごとに「遷宮」が行われ、平成27年に平安時代より数えて第四十二回目の式年遷宮を迎える。
 「式年遷宮」を行う意義について勉強すれば……一つは日本人の生活の基本を為す「敬神崇祖」(神様を敬い祖先を崇める)の生き方。二つは、鎌倉時代に編纂された『御成敗式目』の第一条に定められた「神社を修理して祭りを大切にすること」の実践。
 そして、一番大切なのは、松尾芭蕉の残した「不易流行」と言う言葉。「不易を知らざれば基立ちがたく、流行を知らざれば風新たならず」
 不変の真理を知らなければ基礎が確立せず、変化を知らなければ新たな進展がない!
 変化しながら変わらない。根っこは同じだ。
 「式年遷宮」はその「不易流行」の実践なのだろう。
 修理しなくても良いけれど……変化させる。あえて変える。
 「無用」であっても変化する。
 さすれば、どんなに世の中が変化し、状況が変わっても「絶対に変わらないもの」があることを知る。
 そんな思いで、1時間、上賀茂を散策したら、雪が降って来た。

<何だか分からない今日の名文句>
無用の用