孤独なのはプーチンなのか? 安倍なのか?

 桜の季節がやって来た。ソメイヨシノの開花は例年と比べて、かなり早いらしい。

 ここ数週間、病院の検査で、癌かなあ?嫌々、良性だろう?なんて考えることばかり。憂鬱である。

 「今日が人生最後の日だと思って生きなさい」という本(ホスピス医・小澤竹俊著)を読んだりして……「この先、何回、桜が見られるかなあ」なんて思ったりする。

 「命の寿命」も勿論だが「執筆活動の寿命」も、やがてやって来る。

 いつか「この三月で連載を終えます」と編集長やデスク様に通告される時が来る。

 そう考えると「最後の日」と思って書かなければ……と思う。まだ、書かねばならぬことが沢山ある。

 で、ついついチカラが入ってしまう。

 先週のサンデー毎日の「牧太郎の青い空白い雲」は連載563回。「安倍とメディアに『大名は愚者になる』を教えたい!」

 江戸幕府の知恵者、保科正之のエピソード。「小櫃与五右衛門 会津神公を諷諫(ふうかん)せし事」を引用して「権力者は必ずバカになる!」ことを書かせてもらった。(諷諫とは「遠まわしに忠告すること」という意味)。

 大名の周囲は「家中の者」(イエスマン)ばかり。だから、大名はアホになる。

 安倍さんの周囲も「家中の者」ばかり。権力者を監視する立場のメディアでさえ「ご無理ご尤も」のイエスマン。だから、安倍さんは、外交の面でもオッチョコチョイをする。

 4月下旬のロシア訪問もその最たるもの。クリミア編入やウクライナ東部危機の後、ロシアはG8から外され、孤独だ。

 だから、プーチンの表舞台への復帰を実現させよう!と安倍さんは思い込む。

 ロシアと欧米諸国との仲介役を買って出て、サミットを前にポイントを稼ごうという腹積もりだろう。「家中の者」は「素晴らしい!」と言うけれど……

 外交の面で「孤独」なのは、安倍サンではないのか?

 中国とは尖閣諸島、韓国とは竹島……両国とも安倍サンに交渉の余地すら与えない。

 安倍さんはロシアに逃げている!

 大体、プーチンはそれほど「お人好し」ではない。

 まあ、力が入りすぎた時評だが、読んでくれ。今日まで、本屋にあるから。

 で、今週の「’青い空白い雲」は力を脱いて「競馬もの」にした。春だから。(明日21日発売)

<何だか分からない今日の名文句>

寿命があるから「丸裸」で書く