高野隆弁護士演出「ゴーンの変装保釈」の狙いは「国策捜査」を印象づけるため?

 昨日(3月7日)のブログの <何だか分からない今日の名文句>

 【ヤメ検弁護士はいつも「無罪」より「執行猶予」狙い?】と書いたら、読者の方から「どういう意味?」と訊かれた。

 で、その点をもう少し、丁寧に説明しようと思う。長くなるが、我慢して読んでくれ(笑)

 ゴーン容疑者が最初に弁護を依頼した代理人、大鶴基成弁護士は「輝かしいヤメ検」。東京地検特捜部長、東京地検次席検事、最高検検事……などの経歴を背景に、ゴーン被告の「守護神」に就いた。

 ところが、2回の保釈請求はあっさり地裁に退けられる。ゴーン側はガッカリした。

 そればかりか、フランス記者がゴーン被告の長期勾留を「長すぎるのではないか?」と質問すると、大鶴弁護士は「拘置所の規定で決まる。私も詳しいことは知らない」と他人事のように応えたらしい。

 熱意を感じさせない。

 ヤメ検は所詮「検察ムラの住人」なのだろう。 古巣の地検と“阿吽の呼吸”で「執行猶予」を狙っている!と僕は推測した。

 だから 、昨日のブログで【ヤメ検弁護士はいつも「無罪」より「執行猶予」狙い?】と書いた。

 僕は「守銭奴」のゴーン被告が大嫌いだ。でも、この事件の本質は「別のところ」にある。

 事件の背景には「ルノーと日産の統合」がある。99年、ルノーが経営参加したことで、日産は資本を増し、ゴーン容疑者の徹底的にムダを省いた改革で「V字回復」は成し遂げた。

 その一方で、ルノーは苦戦する。生産、技術、資本、利益と、あらゆる面で今や、日産が断然優位に立った。

 そこで、ルノーの有力株主・マクロン大統領は、ルノーと日産の資本統合を画策する。日産を完全な傘下企業にして、フランスの雇用改善に役立てたい。

 ゴーン容疑者は当初、「経営統合は、日産の企業価値向上につながらない」としていたが……結局、フランス側に近くなる。

 それに対し、政府(経産省) は「日産-三菱自動車連合」を守る立場に立った。日産に昨年6月、経産省出身の豊田正和氏が社外取締役として天下った。

 豊田さんは事務次官に次ぐナンバー2の経産審議官まで上り詰め人物。しかも、退職後は内閣官房参与の要職にあった。

 この人物の「天下り」がゴーン逮捕と繋がっている!と僕は直感した。

 その後、ゴーン容疑者の“変節”を危惧する人々が「ゴーン排除」の内部告発を行う。検察はこれを受け「司法取引」という“強引なやり方”で、ゴーン逮捕に踏み切る。

 (良いか悪いかは、議論が分かれるが)間違いなく「国策捜査」である。

 さて、変装保釈の話に戻ろう。

 「変装」を演出したのは、高野隆弁護士である。彼は「ゴーン氏が素顔をさらして住居に向かったとすれば、間違いなく膨大な数のカメラがバイクやハイヤーやヘリコプターに乗って彼を追いかけたでしょう。彼の小さな住居は全世界に知れ渡ります。生活を取り戻すどころか、健康すら損なわれてしまうでしょう。彼だけではありません。彼の家族、そして近隣住民の生活すら脅かされてしまいます。そのような事態は絶対に避けなければなりません」と「変装」の理由をブログで書いているが、これは真っ赤な嘘だろう。

 高野さんは「変装保釈」の映像を世界中に流したかった。「変装」することで、ゴーン事件を「広報」した。

 弁護団は、今後「ゴーン逮捕は国策捜査!」と主張する。その度に「変装保釈」の場面が全世界で流される。

 「無罪請け負い」の弘中弁護士が「変装」を知らなかった!なんて、僕は信じないよ(笑)

 

<何だか分からない今日の名文句>

自分に嘘をつくのが「嘘の達人」