人気企業ランク、商社と銀行が独占の「恐怖」

 今、2日午前5時。この冬、一番の寒さ。名古屋でも3センチの積雪。おお寒。
 室内でも気温2度。起きられず、ベットの中で、昨日の夕刊紙を読んだ。
 気になったのは、2013年春に卒業を予定する学生の人気企業ランキング。就職情報会社のダイヤモンド・ビッグアンドリード(東京)が発表した人気ランクによると、文系男子では三菱商事が6年連続でトップ。住友商事や三井物産、伊藤忠商、丸紅の大手商社5社がベスト10に入った。
 理系男子でも三菱商事など商社4社がランクイン。文系女子でも、三井物産が昨年18位からベスト10入りを果たした。
 大変な「商社人気」である。
 文系男子のベスト10の残りは全てメガバンク。商社と銀行が10位まで独占するのは異常な感じがする。(因みに、文系男子で27位だった東京電力は、福島第1原発事故が響き100位内にも入らなかった)
 商社は兎も角、銀行を選ぶ学生は何を求めているんだろう?
 安定か? 世間体か? 高給か?
 僕などは金勘定が下手くそだから、生まれ変わっても、「死んでも金貸しにはならない」と言うだろう。生まれ変わっても、新聞記者になる。それが出来なかったら、映画監督かなあ?
 夢のある仕事が良い! に決まっている。国家権力に尻尾を振って、金勘定の商売なんて嫌だ。
 商社には夢があるけど、僕の知る限りでは、銀行員に夢がないように見える。
 20年ほど前、サンデー毎日の編集長の頃「銀行員の給料は高すぎる!」というキャンペーンをして、当時の毎日新聞社のメインバンクの重役から「このまま続ければ、出世させないぞ!」と脅されたことがある。
 「出世」なんて、考えもしなかったが、腹が立って「メインバンクの悪口を書き続けて、俺は社長になる!」と言い返した。もともとサラリーマンの素養も、実力もなく、その後、大病もあって、出世しなかったけど(笑)
 これを機に、その重役と親しくなった。
 正直な男だった。この時、彼は「毎日、何もすることもない。女性従業員の容貌を見比べているぐらいだ。そのうちに、関係会社に出向して、お終いさ」と本音を漏らしていた。
 もちろん、金融を通じて、新しい仕事を応援できれば「夢のある仕事」だと思うが、実態は、そうでもない。借金の催促だ。
 少なくとも、その重役さんにとっては「夢のある仕事」ではなかったようだ。
 商社も、銀行も「拝金主義の仕事」だ。資本主義で必要な仕事であるが、優秀な人材が、この種の仕事にだけ集中するのは怖い事だ。
 金を動かす仕事ではなく「モノを作る仕事の尊さ」に目覚めて欲しい。
 不況が、若者の希望を粉々にしていることはわかるけど……。

<何だか分からない今日の名文句>
軍者ひだるし儒者寒し でも「誇り」を