20年ぶりの「うつ伏せ」

 7日午後、三田病院で「粉瘤」の手術。約一時間、掛った。
 簡単な手術と勘違いしていた。と言うより、健常者に取っては、簡単なのかも知れないが、当方には「特別の事情」が存在した。
 「うつ伏せになって下さい」と言われた。
 実は、当方「うつ伏せ」が出来ない。脳卒中の後遺症で、右半身が麻痺していて「仰向け」は出来るが「うつ伏せ」が出来ない。ここ20年以上、「うつ伏」をしたことがない。忘れていた。
 手術の箇所は左の肩に出来た「粉瘤」。右向きに眠るようにしてみたが、これで手術すると、技術的に「危ない」と医師は言う。
 で、医師と看護師が、硬くなった当方の体を無理やり?「うつ伏せ」に固定しようとチャレンジ?
 これに、十分間ぐらい時間掛かった。細い手術用のベットだから、落っこちそうになる。ハラハラした。
 特に、右手を自由にすることが出来無いので……窮屈な体になる。右腕は麻痺しているので、普段は「痛さ」を感じないが、なぜか、ヘンな所が痛くなったりする。不安だった。 一時間は長~く長~く感じた。
 実は、昼頃、毎日新聞夕刊のデスクから、コラム「大きな声では言えないが」の原稿を早く送れ、という催促が来ていた。
 ドジなことだが、10、11日の連休で、いつもより締切日が早くなっているのを忘れていた。
 手術室を出ると、体も、心もフ~ラフラ。
 それでも仕事場に直行。「お前はプロの端くれじゃないか!」と自らを奮い立たせ、何とか、午後6時の締切に間に合った。
 そのまま、ベットに入ったが、傷口を傷つけないようにして、右向きの姿勢を保つのに苦労。幸い、痛くなかったが、なかなか眠れない。
 最悪の一日だった。

<何だか分からない今日の名文句>
体痛き者は口呼ばざる能わず