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「行き当たりばったり」の学校封鎖!後藤田正晴流「段取り」を知らない政府に「有事」は任さられない!

 もっとも尊敬した政治家の一人、後藤田正晴さんのことを思い出した。

 初めてお会いしたのは東京・狸穴の「外務省別館」。中曽根内閣の官房長官だった後藤田さんは、当時、この隠れ宿を新聞記者との「懇談の場」にしていた。

 いきなり「キミは色男だからモテるだろう(もちろん、お世辞)。しかし、優秀な政治家、官僚、新聞記者に近づいてくる女性は某国のスパイだ。気を付けろ!」と言われた。

 これは冗談では無かった。

 それが証拠に、この時、後藤田さんが紹介したエピソードに登場する「女スパイにハマった政治家」は実在した。(Hさん、のちの総理大臣のことだ。この時、Hさんを誑し込んだ女スパイの「戦術」を細く説明した)

 後藤田さんはズバッと「真相」を話す人だった。

 休日、後藤田さんは必ずデパートに行った。「価格」を調べて、記録するためだ。時代の流れは「モノの値段」で分かる。過度の価格変動は有事に繋がる。だからデパートに行く。(モールなんてない時代だった)

 彼はいつも「有事」に備えていた。警察庁長官時代、「有事」ばかり経験した。よど号ハイジャック事件・三里塚闘争(成田空港予定地の代執行)・あさま山荘事件・テルアビブ空港乱射事件………重大事件への対処に追われた。そして「騒ぎ」を最小限度に押さえ込んだ。

 その「有事のチカラ」を田中角栄が高く評価し、内閣官房副長官と登用。田中政権を支えた。

 はっきり言って、中曽根政権も、一時期「角栄プラス後藤田」の支配だった。

 戦争好き?の中曽根さんは、イラン・イラク戦争終結に当たり、海上保安庁の巡視船または海上自衛隊の掃海艇をペルシャ湾に派遣する!と言い出した。その時、後藤田さんだけが「私は閣議でサインしない」と猛烈に反対。中曽根さんは派遣を断念した。

 その「有事の後藤田」が常々、何を大事にしていたのか?

 それは「正確な情報収集」と「適格な段取り」である。

 優秀な官僚(時には記者)から、本当の情報を集め、果敢に「動く」。

 「動く」ためには「段取り」が必要だ。「段取り」が無ければ大混乱を起こす。

 「段取り」とは、誰もが納得する「政策」を誰もが納得するタイミングで決断することだ。

 後藤田さんの「段取り」は見事だった。

 新型コロナ禍は深刻だ。

 2月20日のブログで

 <医学分野の「学会」が中止なら、学校は?3月1日から春休み?>と題して、

 「義務教育の小中学校は3月1日から4月15日まで春休み」を提案したが、その通りになった。

 でも、今回の学校封鎖は大失敗だろう。

 問題は「正確な情報」がゼロ。全く「段取り」が出来ていない。そんな「行き当たりばったり」の学校封鎖じゃあ、現場は大混乱である。

 「✖︎✖︎の事態が起きたら✖︎✖︎にする」という国民的合意が無ければ、大混乱を引き起こすのは当たり前だ。

 安倍政権は「本当の情報がゼロ」「段取りがゼロ」。現場は大混乱である。

 (例えば、医療機関では、女性スタッフが子供の世話が必要になり、仕事を休む。医療崩壊だ。「感染者ゼロ」の県なのに、何故、休校なのか!と不満が出ておかしくない。

 卒業直前の中学三年はどうしたら良いのか。「子供たちが可哀想だ」と教師は嘆く)

 国営放送のNHKは「学校封鎖」を評価する姿勢!と聞いたが、実態は「日本中皆大混乱」だろう。

 僕がブロクで「義務教育の小中学校は3月1日から4月15日まで春休み」と書いた時点で、何人かの教育専門家が「学校封鎖」の最悪の事態を予想していた。政府にも、意見を述べていた筈だ。本来なら、その時点で安倍さんは真剣に「準備」すべきだった。

 「長い春休み」を提唱した僕は複雑な思いだ。

 

<何だか分からない今日の名文句>

後藤田五訓

出身がどの省庁であれ、

省益を忘れ、国益を想え

悪い、本当の事実を報告せよ

勇気を以って意見具申せよ

自分の仕事でない!と言うな

決定が下ったら実行せよ!

(中曽根内閣官房6室制度発足の訓示)