Author Archives: 牧 太郎

新聞の軽減税率導入は慎重に!

 アルジェリア人質拘束事件にハラハラ、イライラする週末だった。
 情報がないのが、致命的。メディアの無力を感じる。
 かなりの日本人が犠牲になったのだろう。その最低限度の事実関係すらはっきりしない。
 アルジェリアは事実上「戦争地域」になっていたのか?
 拠点を置く日系企業は早晩、撤退するだろう。
 最低限の治安の回復が確認されるまで……ビジネス面で、日本に対する影響は避けられない。
 新聞は早く現地に入り「真実」を書かなければ……役に立たない。
 週末は、 例の消費税の軽減税率も勉強した。
 消費税率引き上げに伴う低所得者の負担緩和策。食料品などの特定品目に限って適用する「軽減税率」はある程度必要だろう。
 しかし、軽減税率は、誰もが納得する適用基準をつくるのは難しい。ドイツでは、店内で食べるハンバーガーには19%の消費税がかかるが、同じ商品を持ち帰れば7%しかかからない。
 いずれにしても、誰でもが納得する軽減税率なんてないだろう。
 日本新聞協会がいち早く、新聞への軽減税率適用を求める声明を発表した。これが、僕には理解出来ない。
 声明では、「今後も国民がより少ない負担で、全国どこでも多様な新聞を容易に購読できる環境を維持していくことは、 民主主義と文化の健全な発展に不可欠」と主張するが「民主主義と文化の健全な発展」に寄与するものは、新聞以外にも沢山ある。
 我々新聞人は、真実を追究し、国民の知る権利に応える努力を続けている。
 しかし、この努力と「軽減税率の特別扱い」は関係ないだろう。
 生活必需品の軽減が決まった時点で「文化」に対する軽減を考える。それが「筋」というものだ。
 どの産業も消費税アップで、生き残りを掛け、奮闘している。
新聞業界も、生き残りを掛け、知恵を絞るベキではないか!
 新聞の軽減税率要求に腹を立てた読者が、さらに新聞から離れて行く姿が見えるようだ。
 僕には一早い「軽減税率要求」は恥知らず!のように思えてならないのだが……。

<何だか分からない今日の名文句>
名誉を守るのが「新聞(武士)道」