牧太郎による著書紹介

  keibahon1馬遊侠伝」

(小学館文庫:定価 本体価格638円+税)

痛快!競馬エッセー。

「競馬最強の法則」で連載した名作(迷作?)「競馬無宿」とス ポーツニッポン(東京版)連載中の「おけら街道トキの声」を収録 した作品。第二の新橋遊吉の出現か。
<さわり>「中央競馬から”草”に降りてきたマイシンポリは、その日、馬体重40キロ増であった。初めて競馬場にやってきた小生は、都落ちの意味も、30 キロ増の現実もまるでわからなかったし、中央競馬で惨憺たる成績だったことも意に介さなかった。ただ名前がいいと思い、マイシンポリを買い、マイシンポリ はなぜか気持ちよさそうに、狭い狭い競馬場を先頭のまま1周。三条競馬で初の1勝をあげた」
配当金を手にし、マイシンポリの境遇を知って牧太郎 は、自分は マイシンポリとは逆に、中央競馬ならぬ東京本社で働いてやるぞ、 いつまでも地方にいるものかとつぶやいたろうか。牧太郎が後年、 暴れ馬だったマイシンザンをひいきにしたのは、その馬名からマイ シンポリとかさねて、わが青春に思い入れをしたのかもしれない。
(吉川良の解説から)

 

  hon1「新聞記者で死にたい・障害は『個性』だ」

(中央公論新書:定価 本体720円+税)

牧太郎の脳卒中闘病記。

 <さわり>年齢四十七、職業は週刊誌編集長。首相のスキャンダ ルを、オウム真理教の悪徳を暴いた、働き盛りの男が「地雷」を踏 んだ。脳卒中である。右半身の自由を奪われ、言葉を無くした。暗 澹たる絶望の淵。死の誘惑が胸をよぎる。だが、マスコミが混迷す る世紀末、男は「もう一度社会悪と格闘するまで死ねない」と決意 する。テーマソングは「上を向いて歩こう」。闘病6年。強いが優 しい男が時代の現場に復活する。障害は「個性」だ。

 

  hon2「ここだけの話」

(毎日新聞社:定価 本体1100円+税)

 波乱万丈、情報満載、ウキウキワクワク……の大好評社会時評!

 <さわり>「牧太郎のここだけの話」は、小生初めてのエッセー 集。1998年正月から2000年4月まで毎日新聞夕刊(東京、 北海道、九州版)に連載した「牧太郎のここだけの話」をまとめた ものでございます。

「ここだけの話」とは……
大事件の真相のことです。
権力陰謀のことです。
マスコミ内輪話のことです。
人間から自由が奪われ
電脳が万能になり
何が本物か
何がニセ物か
まるで分からない
貧富の差がますます大きくなり
民族の誇りがますます小さくなる。
エセ人権派が「ジンケン、ジンケン」と跋扈して、本当の人権
が 無視される……。

そんな「民主主義の崩壊」に腹を立て「ここだけの話」と声をひ そめながらも、怒りを込めて書き上げました。
本当のことを書いてなぜ悪い!
そこで思い切って、「本当の、本当」を書きました。
「こんなことを書いたら危ないぞ」と心配してくれた友人もいま したが、オウム真理教に命を狙われたこともある小生。覚悟はでき ています。

登場していただいた朝日新聞社さん、山口組さん、美空ひばりさ ん、曽根綾子さん、中曽根さん、小渕さん、竹下さん、みのもんた さん、宇多田ヒカルさん、NHKさん、広末涼子さん……。
挙げたら切りのない「時代の登場人物」の皆様、ありがとうござい ました。

 

  hon3「日本橋総覧」

(中央公論新書:定価 本体720円+税)

●著 者 小林春吉(日本 魁新聞社)
●定 価 本体8、000円+税
       ケース入り(豪華愛蔵版)総724ページ

●本書は、「日本橋總覧」小林春吉/日本魁新聞社(原作:昭和14年5月10日刊)の復刻版。
●本書は、歴史・文化・行政・経済・商業・教育・風俗・人物など日本橋のすべてが満載された「日本橋百科全書」です。
●江戸時代の古地図、昭和の日本橋界隈を彷彿させる貴重な写真図版など130点以上を収録。懐かしい街並み、建物、史跡が写っており、華やかで賑やかだった当時が偲ばれます。
●昭和戦前、街の発展に尽力した旧日本橋区会議員の肖像写真118点収録。
●昭和戦前の日本橋区(現中央区)の企業・人物のレファレンス情報は、収録350件以上と圧倒的な数を誇る。街の名士、老舗、会社の活動状況がつぶさにわかる貴重な資料。
●巻末には、著者の息子である牧太郎(毎日新聞編集委員・ホームページ「2代目・日本魁新聞社」編集長)の解説を掲載。

 <さわり>小林春吉が「日本橋總覧」を発刊したのは1939年(昭和14年)。第二次世界大戦が始まった年である。
 日独伊の三国同盟。国民精神総動員委員会が創設され、軍事国家が泥沼の道を歩み始めた年である。

さらに詳しい「日本橋總覧」の紹介ページ
http://www.minatonohito.jp/books/b018.html

出版社「港の人」のサイト
http://www.minatonohito.jp/index_main.html

 

  mascomi「マスコミ・芸能笑辞典」

(学研M文庫:定価 本体価格600円+税)

 質問1 例えば「アカハラ」って、何のこと?
 質問2 「アゴアシ」って、どんな足?
 質問3 「雨傘番組」って、どんなテレビ?
 質問4 「いたち」って、どんな人?。
 質問5 「馬の爪」って、どんな爪?
 質問6 「絵葉書屋」って、どんな商売?
 質問7 機密費が生まれた謎は?
 質問8 ホテルの「新新御三家」って、何処と何処?
 質問9 「にこたま」に住む人はどんな人?
 質問10 「明治の大砲」で勝てるの?
 
 多分、この質問に全問正解という人は、何人もいないだろう。
 どんなに博学であろうとも、まず「いたち」が刑事のことだと知っている人はいないだろう。
「絵葉書屋」が援助交際だった、なんて知っている人は”変態”である。
 普通の人は、これらの言葉の正確な意味を知らない。知らなくて当たり前である。
 なぜなら、この本が収録した言葉はすべて「方言」。マスコミ、芸能界、政界、広告業界……いわゆる「特殊ぎょーかい」だけで通用する「環境方言」「社会方言」「階級方言」である。
 排他的な運命共同体が、ある時は自虐的に、ある時は誇り高く使う「方言」。その裏に隠されているエピソードとは?
 新幹線の東京→大阪間の3時間で、拾い読み出来る「マスコミ・芸能界笑辞典。
 「お笑い方言集」を読んだ夜、大阪新地で、東京六本木で「ギョーカイ人」を気取っても誰も文句を言えない。その程度しか役に立たない反アカデミック本。
 でも、本当のインテリ?が、じっくり読めと第四権力・マスコミ業界の悪知恵、哀愁、戦いの全貌、男と女--がよ~く分かる仕組みになっている。

 

  「社会部記者が見た 芸能界 裏の裏」

(毎日新聞社 1978年)

  「たかり KDDの陰謀」

(講談社1980年)