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4月の巻・名人3句目 2005.04.19

虫さんがいるよ出たよと呼ばれけり

<かっちゃん>


自由句  特選   虫さんがいるよ出たよと呼ばれけり <かっちゃん>

兼題「時」特選   怠けよと時計の止まる春の昼    <たぬき囃>

名人句の原句は「虫さんがいるよいるよと呼ばれけり」でしたが、これですと季語は「虫」で、秋の句になってしまいます。「虫出づ」とすれば、春の季語になりますね。さらに、幼い子が「こんなところに虫がいるよ」というのに対して、たとえば母親が「もう土から出てきたのね」などと応対している、そんな声が聞こえてくるようでいい句になります。たぬき囃さんの句、止まった時計を「怠けよ」と言っているととらえたところが絶妙。


【ワンポイントアドバイス・4/19】
  てっぺんや時空の超えし松毟鳥   (原句)
  てっぺんや時空超え来る松毟鳥   (添削)

   *<寿々女>さんの句。
    上五を「や」と大きく切っていますから、中七から下五はつづけます。

  時ならぬ彼女告白花筵   (原句)
  時ならぬ彼女の告白花筵  (添削)

   *<かっちゃん>さんの句。
    中七は「彼女の告白」と、一字余っても主体をはっきりとさせます。

  絵手紙の中見つけし山桜  (原句)
  絵手紙の中に見つけし山桜 (添削)

   *<ふゆき>さんの句。
    中七「中見つけし」ではリズムが合いません。「中に見つけし」と「に」を入れます。

4月、第3週の選考経過です。

兼題「時」の句と自由句です。


最終選出句に★、ほかに◎、○、無印、の4種で、選の結果を示します。

 1)奥つ城を囲む林や鳥の恋  <萌>

○2)密やかな影の主役か薯莪の花  <たまご>

○3)砂時計二度返す間の春の虹  <飯吻>

○4)てっぺんや時空超え来る松毟鳥 <寿々女>

     原句の「てっぺんや時空の超えし松毟鳥」を少し直しました。

 5)筍の地熱やぬくし宅急便 <ガス灯>

○6)桜蕊降る週初め靴の塵 <四度>

 7)関越道往きてふたたび花に逢う <茶々>

○8)髪切りて何か失ふ木の芽時  <あや>

 9)ハングル語加え御室の八重桜 <すみれ>

○10)背面には傷数多なり老桜 <山法師 >

 11)時刻表持たぬ旅する春盛り  <ぱろぱろ>

 12)お茶の芽の柔らかく伸び夕間暮れ  <DORA>

 13)腕時計のガラスが光り夏隣  <稚笑>

     原句の「腕時計ガラスが光り夏隣  <稚笑> 」を少し直しました。

 14)新緑の時来りをり桜散る <暇舩>

○15)囚人の歩みのろのろ葱坊主 <一弘>

○16)かはたれ時空点すごと花辛夷 <美加 >

○17)櫻蘂ふる鏡の中の母の時  <TOPPO>

○18)見慣れたる富士に桜や川光る <貞夫>

○19)亀鳴いて極楽蜻蛉目覚めけり <沐雨>

○20)春闇の削り取られし交差点  <ゆらぎ>

 21)時ならぬ女の告白花筵 <かっちゃん>

     原句の「時ならぬ彼女告白花筵」を少し直しました。

 22)美しい嘘言うひとと春時雨  <地井  健>

○23)脹らみつ河口へ向かふ花筏  <悠>

○24)蒲公英の絮の欠け初む昼の月  <じんた>

 25)時々は顔見に来てよと目借時  <青い鳥 >

 26)絵手紙の中に見つけし山桜  <ふゆき>

     原句の「絵手紙の中見つけし山桜 」を少し直しました。

★27)怠けよと時計の止まる春の昼  <たぬき囃>

 28)一向に進まぬ句作目借時  <釣人>

 29)時めぐり再入学す遅桜  <小鉢>

 30)旅立ちの時あやまたず落花舞う  <扇風>

★31)虫さんがいるよ出たよと呼ばれけり  <かっちゃん>

     原句の「虫さんがいるよいるよと呼ばれけり」を少し直しました。

 32)時ならぬ電話のこゑや風信子  <幸作>

○33)川越やしだれざくらと時の鐘  <千絵 >

○34)春深し時分の花に酔ひし娘ら  <おだまき>

○35)目借り時たかが二合の酒に酔ふ  <走酔>

○36)沈丁の香を聴き澄ます夜の雨  <弓人>

    以上、選出句は36句でした。


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