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4月の巻・名人2句目 2005.04.12

花陰の逢瀬見ぬふり知らぬふり

<悠>


自由句  特選   いろはにほ教科書に無し春うらら  <たまご>

兼題「花」特選   花陰の逢瀬見ぬふり知らぬふり  <悠>

今週は「花」の兼題のせいか、自由題とともに、のんびりとうららかな選句になりました。花陰で、男女が逢瀬を楽しんでいるのですが、見たいような、知らんぷりしてしまいたいような、こちらのほうが遠慮がちになってしまうのは、何故でしょうか。不思議ですね。中七から下五にかけて、「見ぬふり知らぬふり」のリズム感が、実にいいですね。


【ワンポイントアドバイス・4/12】
  戯れに負う母はなき啄木忌   (原句)
  戯れに負う母のなし啄木忌   (添削)

   *<沐雨>さんの句。
    啄木の「戯れに母を背負ひて・・・」の歌をふまえていますね。
    中七は「なし」と切りましょう。

  春の町行き交ふ人の新しき  (原句)
  春の町行き交ふ人の新しや  (添削)

   *<四度>さんの句。
    下五「新しき」と連体形で止めず、「新らしや」と感動の余韻を残しましょう。

  陽炎いし空海の筆跡太き  (原句)
  空海の筆跡太き陽炎へり  (添削)

   *<すみれ>さんの句。
    語の順序を入れ替えて、リズムを俳句らしくととのえてみましょう。

  ひとひらの花弁を肩に客来る  (原句)
  ひとひらのはなびら肩に客来る (添削)

   *<走酔>さんの句。
    「花弁(かべん)」よりも「はなびら」と読ませたほうが、柔らかく伝わりますね。

4月、第2週の選考経過です。

兼題「花」の句と自由句です。


最終選出句に★、ほかに◎、○、無印、の4種で、選の結果を示します。

○1)勤務なき日々の慣れたり養花天  <釣人>

○2)入園の二十の顔の笑顔かな  <DORA>

 3)抗日の投石はげしかつこう鳴く  <青い鳥>

 4)肩先の少し冷え来て花の雨 <ぱろぱろ>

 5)花びらを吹きまくり往く赤ポルシェ <弓人>

 6)見るみられ屋形船ゆく江戸の花 <萌>

 7)水面揺るさらに大きく桜揺る <山法師>

○8)花吹雪ひとひらごとのいのちかな  <寿々女>

 9)お土産の花片ひとつ弁当箱 <稚笑>

 10)また一羽天に魅かるる揚雲雀 <飯吻>

★11)いろはにほ教科書に無し春うらら  <たまご>

○12)始まりし講座のがせし朝寝かな  <小鉢>

 13)感嘆詞ばかり桜の画布白し  <美加>

○14)ポストまで少しスキップ花の道 <ガス灯>

○15)花あれば花ある方に集ひけり <四度>

★16)花の陰逢瀬見ぬふり知らぬふり <悠>

     原句の「花陰の逢瀬見ぬふり知らぬふり」を少し直しました。

○17)テロップに母郷の震度椿落つ  <じんた>

○18)かくれゐし警察官や花あかり <おだまき>

○19)ピンポ〜ン先づ猫出づる春の宵 <千絵>

○20)塩馴れのほどよくなりぬ花菜漬  <国子>

 21)花のあめ御堂に座する恋ごろも <たぬき囃>

 22)うすびあびさざめきかわす花つぼみ  <茶々>

○23)捨猫と戯れてゐし遍路かな  <走酔>

 24)花の雨頬に受けつつ朝の風呂  <沐雨>

○25)花守や懐かぬままに老いし犬  <TOPPO>

 26)大手門潜れば万朶風光る  <一弘 >

 27)花の昼星一つ付く兵の墓  <すみれ>

 28)さわさわさ富士山麓の杉花粉  <幸作>

 29)水仙のぐっとふんばる底力  <ふゆき>

○30)ちぐはぐな妻との会話花の雲  <かっちゃん>

     原句の「ちぐはぐな妻との会話花浮かれ」を少し直しました。

○31)詫び状のひとつそのまま桃の花  <あや>

○32)二階までおしゃべりにゆく花辛夷  <扇風>

 33)北山の法の字みえし入学式  <おだまき>

    以上、選出句は33句でした。


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