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3月の巻・名人2句目 2005.03.07

呆(ほう)けても死ぬまで女雛あそび

<すみれ>


自由句  特選   呆けても死ぬまで女雛あそび   <すみれ>

兼題「木」特選   見飽きたる山笑ひ出し退院す   <微女>

女性は死ぬまで「女」、男性は死ぬまで「男」です。でも、女を忘れずに貫きとおすことは美しいことです。下五の「雛あそび」という季語がよく効いていますね。いつも言っているように、俳句は季節の詩。季語によって60パーセント、いや70パーセントが決まります。原句は「蓬(ほう)けても死ぬまで女雛あそび」でしたが漢字を一字、直しました。


【ワンポイントアドバイス・3/8】
  交差点溶けておぼろよ雪達磨 (原句)
  交差点溶けて消え初む雪達磨 (添削)

   *<かっちゃん>さんの句。
      「おぼろ」「雪達磨」ともに季語です。一句一季語を心がけるようにしましょう。

  四国にも高い山見ゆ春の海  (原句)
  四国にも高き山見ゆ春の海  (添削)

   *<沐雨>さんの句。
    「見ゆ」は文語ですから、「高い」も「高き」と文語に統一しましょう。

  春雪に遠山遥かに霞みをり(原句)
  春の雪遠山遥かに沈みをり(添削)

   *<青い鳥 >さんの句。
    「春雪」「霞み」ともに季語です。一句一季語を心がけるようにしましょう。

3月、第2週の選考経過です。

兼題「山」の句と自由句です。


最終選出句に★、ほかに◎、○、無印、の4種で、選の結果を示します。

○1)斑雪山薄日さしたるしるべ石  <萩の風>

○2)山姥も簪の欲し花辛夷  <稚笑>

○3)鳥雲に確定申告投函す  <飯吻>

○4)うれしくて少し不機嫌蕗の董 <海月>

 5)自転車の僧の衣や涅槃西風 <山法師>

 6)のどかなり唸リだしたる冷蔵庫 <桃桜>

 7)扉の内の鈴の音たしか春の宵 <ガス灯>

 8)大小の砂山二つ磯遊び <ふゆき>

 9)蓬莱の山近くなり春の夢 <悠>

○10)まだ温き犬の屍土の春 <TOPPO>

 11)塵はらい本人不在の雛納め  <小鉢>

 12)山見えぬ谷戸の夜なり梅白し  <扇風>

 13)大人びる少女を支えしマリア像  <ぱろぱろ>

○14)春の空ぞんぶんに鳴く鳶一羽 <おだまき>

 15)梅と猫大倉山で授かりぬ <尚々>

○16)春満月砂山波に攫はれし <美加>

○17)しゆんしゆんと滾る鉄瓶春の雪  <弓人>

 18)春寒し血圧計とにらめつこ <青い鳥 >

 19)雛納め何やら母のひとりごと <一弘 >

○20)啓蟄や注射器へ血の移りゆく  <あや>

○21)走り根に躓く山路残る雪 <千絵 >

 22)雪つつく嘴にやうやく黒い土  <かっちゃん>

★23)見飽きたる山笑ひ出し退院す  <微女>

 24)春昼の雑踏きりなし南京路  <沐雨 >

 25)白雪に紅梅耐える寒さかな  <暇舩>

○26)外つ国へ嫁ぐ子と見る修二会かな  <走酔>

 27)里山の橋大工事れんげ草  <幸作>

 28)雛寿司の袱紗に包む母の影  <たまご>

○29)貝採りし磯のふくらみ春の波  <釣人>

★30)呆けても死ぬまで女雛あそび  <すみれ >

     原句の「蓬(ほう)けても死ぬまで女雛あそび」を少し直しました。

 31)研ぎ上げて男が料る桜鯛  <萌>

 32)山鳥の手招きするやみちしるべ  <寿々女>

 33)紅梅を覗き込むよな淡き雪  <DORA>

    以上、選出句は33句でした。


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