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1月と2月の巻・名人6句目 2005.02.22
くちばしの土つけしまま春の鳧
<山法師>
自由句 特選 金箔の失せし雛の瞳のつぶら <美加>
兼題「土」特選 くちばしの土つけしまま春の鳧 <山法師>
「鳧(けり)」は、チドリ科の全長35センチほどの鳥。頭から胸までが灰色で背は淡褐色。腹部が白く胸に細い黒帯があり、足が長いのが特徴です。鳧が、何かを啄んだのでしょう。くちばしに黒い春の土をつけたまま降りてきたのです。「土」の題で「くちばしの土つけしまま」は、実に見事な表現になりましたね。美加さんの句は、原句「金箔は失せど雛の目のつぶら」を少し直しました。
【ワンポイントアドバイス・2/22】
蕗の董今年も忘れず同じ場所 (原句)
蕗の董いまも忘れず同じ場所 (添削)
*<青い鳥>さんの句。
「今年も」ですとあたりまえ、「いまも」にしてみました。
水神は形良き石や春のみず (原句)
水神の形良き石よ春のみず (添削)
*<萌>さんの句。
「は」は散文的なので「の」に。
「や」は呼びかけの「よ」に。「はるのみず」は漢字に。
口小さく女雛桃の日待ちにけり(原句)
口小さき女雛桃の日待ちゐたり(添削)
*<たまご>さんの句。
いい句です。この句も、上五から中七にかけては切らずに続け、
中七で大きく切りましょう。
2005/2月、最終週の選考経過です。兼題「土」の句と自由句です。
最終選出句に★、ほかに◎、○、無印、の4種で、選の結果を示します。
1)日当たりにしばしなごみの立ち話 <青い鳥>
2)窓際に粘土細工の雛人形 <ぱろぱろ>
○3)振り返りつつ走る犬土の春 <寿々女>
○4)ひとり触れ皆触れてみる春の水 <萌>
★5)くちばしの土つけしまま春の鳧 <山法師>
6)口小さく女雛桃の日待ちにけり <たまご>
7)A4の道案内や梅の寺 <弓人>
8)土ぼこり浴びて抜かるる遍路かな <悠>
9)春光の溢れ土塊弛みたり <飯吻>
○10)春草や向かうの角のポストまで <TOPPO>
原句にあった「向かふ」は、旧仮名で「向かう」と記します。
名詞は「向かう(発音=ムコウ)」、動詞の終止形が「向かふ(発音=ムカウ)」となります。
音便型は旧仮名でも<ハ行>にはならない・・・、まぎらわしいですよね!(by 中島)。
11)土鍋たき子らを待つ夜春寒し <小鉢>
12)土に耳寄すれば鼓動蛇出づる <かっちゃん>
13)土付かぬ力士またるる春場所 <山茶花>
14)土塊の陰にふぐりの春匂う <桃桜>
○15)春隣り女の白き土踏まず <尚々>
16)桃の花挿して華やぐ雛の段 <沐雨>
17)また一つヒマラヤ杉に春の雲 <ごん太>
18)ハコベ咲く空き地に土管子の自分 <稚笑>
○19)真新し自転車に鍵春の土手 <千絵>
20)土星の輪梅ふくらみぬ一二輪 <一弘>
21)かの子忌や杉の花粉のたわわなる <ガス灯>
○22)水面のハの字ハの字の鳥の恋 <ふゆき>
★23)金箔の失せし雛の瞳のつぶら <美加>
原句の「金箔は失せど雛の目のつぶら」を少し直しました。
○24)夫の風邪ひとりの粥をふきこぼし <すみれ>
○25)土壇場の合格通知シネラリア <釣人>
26)冬のソナタ夏のアナタや恋の猫 <猫のくり>
27)土に魂しきつめてゆく落椿 <おだまき>
◎28)草餅や夫婦ふたりの小商い <走酔>
29)土壁の家壊しをり花なづな <幸作>
以上、選出句は29句でした。
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