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1月と2月の巻・名人3句目 2005.02.01

まぎれなき一声流氷が来たぞ

<悠>


自由句  特選   まぎれなき一声流氷が来たぞ   <悠>

兼題「雪」特選   遺句集の魚の表紙春の雪     <扇風>

流氷は、一度見に行ったことがあります。エメラルド色でとても美しく、この世のものとは思えないような印象でした。近づくと、氷が声を出して泣くのです。悠さんの句、心待ちにしていた流氷が来た心躍りがよく出ています。少し、俳句らしくない表現ですが、「流氷が来たぞ」という声が聞こえてくるようです。「流氷」は春の季語です。


【ワンポイントアドバイス・2/1】
  列島の汚れを包む雪雪雪  (原句)
  列島の汚れ包みし雪雪雪  (添削)

   *<山茶花>さんの句。
    どこか一カ所を、大きく切りましょう。この句の場合は中七ですね。

  音すべて雪に吸はれる白き魔よ  (原句)
  音すべて雪へ吸はれし白き魔よ  (添削)

   *<たまご>さんの句。
    この句も、上の句と同じです。中七で切ってみます。

  春近し猫のすり抜け四つ目垣 (原句)
  春近し猫すり抜ける四つ目垣 (添削)

   *<寿々女>さんの句。
    上五で切れていますから、中七から下五はつなげてしまいます。

  シャンプーの残り少なく春隣 (原句)
  シャンプーの残り少なし春隣 (添削)

   *<四度>さんの句。
    この句も、このままでは切れがありません。「少なし」とし切れを作ります。

  凍みわたる雪原の果てへ足跡が
  凍みわたり雪原の果てへ足の跡 (添削)

   *<萩の風>さんの句。
    原句は散文的。俳句的表現を心がけましょう。

2005/2月、第1週目の選考経過です。

兼題「雪」の句と自由句です。


最終選出句に★、ほかに◎、○、無印、の4種で、選の結果を示します。

 1)庭先の固き黒土寒雀  <飯吻>

◎2)春近し猫すり抜ける四つ目垣  <寿々女>

     原句は「春近し猫のすり抜け四つ目垣」

 3)わがものに輪切りの蜜柑啄めり  <山法師>

◎4)シャンプーの残り少なし春隣 <四度>

     原句は「シャンプーの残り少なく春隣」

○5)水底の主となりし冬落ち葉 <ふゆき>

 6)札幌は今日も雪の夜ピエロ泣く <截 空>

 7)青々と雪降る夜や軒の陰 <稚笑>

 8)八荒に比良を仰ぎしあすは白 <おだまき>

○9)石仏の頭残して春の雪 <弓人>

 10)縁側の暖房いらぬ恵みかな <かっちゃん>

 11)降る雪や今日できることできぬこと  <ぱろぱろ>

 12)島店のパンは品切れ冬日和  <釣人>

★13)遺句集の魚の表紙春の雪  <扇風>

○14)春近し風の押したる車椅子 <みやま>

 15)鮟鱇鍋喰いに行こうと電話あり <沐雨>

○16)明日こそは歩くと決めし茜空 <青い鳥>

 17)探梅や亀山古墳昏れはじむ <ガス灯>

○18)少年の睫に束の間ぼたん雪  <美加>

○19)天からの手紙一片雪の花 <TOPPO>

○20)雪辱のラガー誇らか胸の文字 <たまご>

 21)斧一打響き返して山眠る  <一弘>

 22)だんだんと亡き人に似し雪地蔵 <萩の風>

 23)咳込みて一方的に電話切る  <萌>

 24)味の濃き煮しめ並びし初不動  <千絵>

 25)天辺の道の浮き出しはだら雪  <幸作>

◎26)いつまでも解かぬ指切り寒茜  <国子>

○27)雪嶺の比良に向かいし鳥の陣  <すみれ>

○28)老母のなほ小さきかな今朝の雪  <山茶花>

★29)まぎれなき一声流氷が来たぞ  <悠>

○30)城崎の雪解の音に目覚めけり  <走酔>

    以上、選出句は30句でした。


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