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1月と2月の巻・名人1句目 2005.01.18

たてがみを三つ編みにして騎馬始

<萌>


自由句  特選   たてがみを三つ編みにして騎馬始  <萌>

兼題「空」特選   空元気見破られたる初電話     <山法師>

この句は、作者によって投句後に訂正を申請された句ですが、原句のほうをとりました。ただし、タイプミスと思われる漢字を一字直してあります。「騎馬始」は、新年にはじめて馬に乗る儀式です。歳時記によると、「・・・室町幕府では正月2日が恒例であったが、江戸幕府になって一般に正月5日となった・・・」とありますが、現在では日を定めず、新年のはじめての乗馬をいいます。馬を飾るため、たてがみを三つ編みにしているところに、写生の目があります。三つ編みをした馬の瞳が見えてくるようですね。
<山法師>さんの作品は、原句「空元気見破られしや初電話」を少し直しました。


【ワンポイントアドバイス・1/11】
  終わらない仕事抱えて凍てつく夜  (原句)
  終はりなき仕事抱へし凍つる夜   (添削)

   *<ぱろぱろ>さんの句。
    少し説明的ですので、中七でしっかり切って文語表現に整えてみます。

  冬うらら半袖の子ら下校する  (原句)
  冬うらら半袖子らの下校かな  (添削)

   *<DORA>さんの句。
    この句も「〜する」で説明に流れました。中七から下五はつなげ「かな」で止めます。

  両腕に荷物を提げし幼子よ (原句)
  両腕に荷物提げゐし幼子よ (添削)

   *<高砂清美>さんの句。
    この句も「〜を〜する」式の説明です。「を」は省きましょう。

  春待つや夜空に浮かぶ辛夷の芽 (原句)
  何待つや夜空に浮かぶ辛夷の芽 (添削)

   *<千絵>さんの句。
    「辛夷の芽」が春を待っているのは当たり前です。そこをぼかして「何」とします。

2005/1月、第1週目の選考経過です。

兼題「空」の句と自由句です。


最終選出句に★、ほかに◎、○、無印、の4種で、選の結果を示します。

○1)空色の小さきピアスや雪の朝  <ぱろぱろ>

◎2)笹鳴きや子犬の耳のそばだてり  <寿々女>

○3)空き瓶の青き影踏む寒鴉  <飯吻>

 4)冬うらら半袖子らの下校かな <DORA>

     原句は「冬うらら半袖の子ら下校する」

 5)空威張り細目で見やり懐手 <稚笑>

 6)雨空や置き忘られし青い傘 <沐雨>

 7)シャッターの改装の文字春近し <みやま>

     原句は「シャッターに改装の文字春近し」

○8)待ち人の来しは空耳毛糸編む <幸作>

○9)探梅や国分寺址この辺り <弓人>

     原句は「探梅や国分寺址はこの辺り」

○10)十年を生きて阪神震災日 <TOPPO>

○11)幾年の塵乗せ父の日記古る  <山法師>

     原句は「十年の塵乗せ父の日記古るし」

★12)空元気見破られたる初電話  <山法師>

     原句は「空元気見破られしや初電話」

 13)両腕に荷物提げゐし幼子よ  <高砂清美>

     原句は「両腕に荷物を提げし幼子よ」

 14)凍てし山河土星からの初便り <ごん太>

 15)にこにこの人のうしろに春着の子 <かっちゃん>

 16)憂愁や空へ一気の大嚏 <ガス灯>

 17)行きづりの空似気になり冬日かな <悠>

     原句は「行きづりの空似気になる冬日かな」

 18)百薬の長我にあり大地凍つ  <みやま>

○19)蕎麦湯呑むころにようやく話し出し <四度>

     原句は「蕎麦湯呑む段に漸う話し出し」

○20)初刷のあるふあ手にし笑みこぼれ <青い鳥>

     原句は「初刷のあるふあ手にして笑みこぼれ」

○21)地の窪に雀ふくらむ寒九かな  <国子>

 22)待ち人の来たると神籤初恵比寿 <一弘>

     原句は「待ち人は来たると神籤初恵比寿」

 23)松過ぎし空っぽとなりし四畳半  <ふゆき>

 24)雪ほりの声青空に吸い込まれ  <萩の風>

○25)左義長の照らし出したる空の闇  <尚々>

     原句は「左義長の照らし出したる空暗し」

 26)金斗雲喰っち寝猫の孫悟空  <猫のくり>

○27)銀座きて空也最中の松過ぎぬ  <たまご>

     原句は「銀座きて空也最中や松過ぎぬ」

○28)風に乗る凧に大空開きをり  <すみれ>

     原句は「風に乗る凧に大空開きけり」

 29)還暦となりて空しき年初め  <釣人>

◎30)冬空の何処(いずく)か星の産声す  <扇風>

     原句は「冬空のどこかで星の産声す」

★31)たてがみを三つ編みにして騎馬始  <萌>

◎32)迢空のいづくに眠り冬桜  <美加>

     原句は「迢空のいづくに眠る冬桜」

 33)冬ぬくし読経の人の輪にありて  <走酔>

○34)待春や空空空の般若心経  <千絵>

     原句は「春待や空空空の般若心経」

◎35)雪の来る鉛の空の沈黙よ  <おだまき>

    以上、選出句は35句でした。


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