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12月の巻・名人4句目 2004.12.28

襖絵の拾得笑ふ二日酔

<一弘>


自由句  特選   小春日やうつらうつらと修道女  <沐雨>

兼題「靴」特選   襖絵の拾得笑ふ二日酔ひ     <一弘>

中国、唐代の脱俗的人物で詩人の、寒山(かんざん)と拾得(じっとく)。その脱俗の境地は、中国・日本ともに、伝統的な画題として描かれてきました。素朴な表情の図もあれば、奇怪な笑みを浮かべた図も伝わっています。二日酔なのでそう見えたのか、はじめから笑っている図なのか、いずれにしても面白いですね。原句は「襖絵の拾得笑ふ二日酔ひ」でしたが、句末のひらがな1字をとりました。


【ワンポイントアドバイス・12/28】
  敷島や火鉢てふ団欒忘れられ  (原句)
  敷島や火鉢の団欒忘れられ   (添削)

   *<悠 >さんの句。
    中七が字余りになってしまいました。リズムを整えてみましょう。

  酔覚めの五臓六腑に寒の水  (原句)
  酔覚めの五臓六腑や寒の水  (添削)

   *<美加>さんの句。
    「〜の〜に」という具合に切れがありません。中七で大きく切りましょう。

  酔眼で確かめておく冬の月 (原句)
  酔眼で確かめてゐし冬の月 (添削)

   *<尚々>さんの句。
    「おく」だと、作者の意志が入りすぎます。「ゐし」と自然体の表現にしてみます。

2004/12月、第4週目の選考経過です。

兼題「酔」の句と自由句です。


最終選出句に★、ほかに◎、○、無印、の4種で、選の結果を示します。

○1)歳忘れ酔ふて候床柱  <たまご>

○2)三山のかすかに酔ふや冬日落つ  <山法師>

○3)喧騒も寒月黙ってそこにゐる  <稚笑>

 4)酔ひしかな夢のつづきか雪蛍 <美加>

 5)冬芽晴れ湾一望の摩崖仏 <国子>

★6)襖絵の拾得笑ふ二日酔ひ <一弘>

 7)摘み上ぐホットミルクの薄き膜 <千絵>

○8)数え日や夫の遺せし絵画拭く <ガス灯>

★9)小春日やうつらうつらと修道女 <沐雨>

○10)介護士の踊るアヴェマリアクリスマス <秋櫻>

○11)崩れたる壁塗りあげて小晦日  <弓人>

○12)鮟鱇や酔余の一興逆さ吊り  <寿々女>

○13)酔ひ醒めの水冷たきや主のみ声  <TOPPO>

 14)頂いた鮭化粧して寒月夜 <ぱろぱろ>

 15)物忘れ重ねし上の年忘れ <みやま>

 16)いちょう羽根立てて鴛鴦プロポーズ <すみれ>

 17)行く年や一日一句道はるか <かっちゃん>

○18)はやばやと集金来り年の暮  <おだまき>

○19)正月用色とりどりの餅届く <青い鳥>

 20)冬の雷句敵現れし酔夢かな <幸作>

 21)この年も酔ひて暮れけり古女房  <走酔>

 22)酔うほどに思い出紡ぐ炬燵かな <DORA>

 23)酔眼で確かめてゐし冬の月  <尚々>

     原句は「酔眼で確かめておく冬の月」

    以上、選出句は23句でした。


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