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12月の巻・名人3句目 2004.12.21

靴底のうすきよごれや冬休み

<ふゆき>


自由句  特選   もやもやと柚子湯に解けし怒りあり  <稚笑>

兼題「靴」特選   靴底の薄きよごれや冬休み      <ふゆき>

中七の「うすきよごれ」がいいですね。これから年末年始、そして冬休みに入ります。この靴の「よごれ」も、だんだん濃さを増してくることでしょう。一読したときは、それほど印象深くはなくても、じわじわとその良さが迫ってくる句、こういう句こそが、いい句なのです。
<ふゆき>さんの原句は「靴底の薄きよごれや冬休み」でしたが、漢字かな遣いを少し変えました。また<稚笑>さんの原句は「もやもやと柚子湯に解ける怒りあり」でしたが、少し直しました。


【ワンポイントアドバイス・12/21】
  冬の街靴磨く子の憐れなり  (原句)
  冬の街靴磨く子のひとりなり (添削)

   *<弓人>さんの句。
    俳句は、なるべく情を抑えて表現します。「憐れ」といわずにそれを出します。

  一陽来復母にも靴ひとつ   (原句)
  一陽来復よ母にも靴ひとつ  (添削)

   *<TOPPO>さんの句。
    中七が一字足りません。「や」または「よ」などを入れてリズムを整えます。

  冬の空やオレンジ色の大西日 (原句)
  冬空やオレンジ色の大没日  (添削)

   *<DORA>さんの句。
    「冬空」は冬、「西日」は夏の季語です。一句のなかに季語はなるべくひとつに。

  街の灯や忘年わが身となりにけり    (原句)
  街の灯(あかり)忘年わが身となりにけり(添削)

   *<悠>さんの句。
    「や」と「けり」と切れ字が二つ。上五の「や」をとりましょう。

2004/12月、第3週目の選考経過です。

兼題「靴」の句と自由句です。


最終選出句に★、ほかに◎、○、無印、の4種で、選の結果を示します。

◎1)鳥人となる風を待つスキー靴  <弓人>

★2)靴底の薄きよごれや冬休み  <ふゆき>

★3)もやもやと柚子湯に解けし怒りあり  <稚笑>

     原句は「もやもやと柚子湯に解ける怒りあり」

○4)極月や靴音にある疲れかな <国子>

○5)野良猫のなつく濡れ縁冬ぬくし <美加>

 6)時忘る色あかあかや冬もみじ <不悟 >

     原句は「時忘れ色あかあかや冬もみじ」

○7)三人の齢二百よ年わすれ <千絵>

○8)靴音は落葉踏む音山小径 <沐雨 >

 9)靴音の軽き散歩の師走かな <暇舩>

 10)冬天を吊りて電線揺れにけり <一弘 >

 11)靴下を繕うことも無く炬燵  <尚々>

○12)長靴を履いた猫ゐしクリスマス  <猫のくり>

     原句は「長靴を履いた猫だよクリスマス」

 13)靴底で地球を破壊霜柱  <ごん太 >

○14)歌声に祈りを込めし冬の空 <ぱろぱろ>

     原句は「歌声に祈りを込めて冬の空ス」

○15)山小屋の周り清めし年迎へ <悠>

     原句は「山小屋の周り清めて年迎へ」

 16)餅つきの日取りを約し宵の星 <DORA >

 17)長き毛の絨毯引きて歳用意 <青い鳥>

 18)數へ日や半生負ひし靴捨つる  <TOPPO>

 19)検査食粥の一日や十二月 <幸作>

 20)寒鴉またも仲間にはぐれけり <たまご>

 21)松柘植の緑引き立つ落葉掻  <みやま>

○22)凍道や薄き靴底小石踏む <ゆらぎ>

○23)黒蝶や寒の月へと戻りけり  <ぱろぱろ>

○24)十字切る飛行機雲や冬柏  <千絵>

 25)新海苔の波に洗わる磯の靴  <釣人>

 26)時雨るるや干し場ちゃっかり赤い靴  <かっちゃん>

 27)昆布巻きの味の濃い目の年用意 <すみれ>

 28)冬日和遊び鴉や屋根の靴 <寿々女>

 29)古希近くなほ捨て難きスキー靴 <貞夫>

 30)蕪村展の媼がひとり冬日和 <走酔>

     原句は「蕪村展に媼がひとり冬日和」

○31)客同士靴べら回す年の暮 <萌>

○32)頭から薄くなりしや冬の山 <みやま>

○33)靴音のかろき二人や冬星座 <釣人>

○34)泥靴の男一人の落葉焚き <飯吻>

 35)靴いらぬ父の十年寒葵 <山法師>

 36)過ぎし日を巻き戻すかに年用意 <ガス灯>

    以上、選出句は36句でした。


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