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12月の巻・名人2句目 2004.12.14

煤払ふ習ひも失せし団地住み

<沐雨>


自由句  特選   煤払ふ習ひも失せし団地住み  <沐雨>

兼題「走」特選   川上へ助走し翔くる小白鳥   <萌>

本当にそうですね。大晦日が近づいても、煤払いをする景をみかけなくなりました。正月気分もすっかり薄れてしまった感じです。でも、伝統的行事はなんとか残したい思う今日このごろです。沐雨さん、時代をよくとらえましたね。


【ワンポイントアドバイス・12/13】
  鍋焼きの何故か悲しし玉子かな  (原句)
  鍋焼きの何故か悲しき玉子かな  (添削)

   *<ぱろぱろ>さんの句。
    「悲しし」はどうでしょう。「悲しき」と連体形にして、下の名詞につなげましょう。

  お祝儀に析の音冴えたる酉の市  (原句)
  ご祝儀に析の音冴えし酉の市   (添削)

   *<一弘 >さんの句。
    上5、中7はつなげ、中7で大きく切って余白を出します。

  赤き実を日毎減らしに鵯の来る (原句)
  赤き実の日毎減りゐし鵯の来る (添削)

   *<すみれ >さんの句。
    原句のままですと説明的に流れますので、中7で切ります。

2004/12月、第2週目の選考経過です。

兼題「走」の句と自由句です。


最終選出句に★、ほかに◎、○、無印、の4種で、選の結果を示します。

 1)裸木を仰ぐ憤る子を抱く  <千絵 >

 2)遠山の間近に迫る時雨あと  <山法師>

 3)鍋焼きの何故か悲しき玉子かな  <ぱろぱろ>

     原句は「鍋焼きの何故か悲しし玉子かな」

 4)早朝の走る街角身に凍みて <暇舩>

 5)路地の裏凍て風と猫走り抜く <飯吻>

○6)数へ日や財布の中の走り書き <ゆらぎ >

○7)陽の温みだいじに包む布団かな <たぬき囃>

 8)空白の多き日記や年暮るる <美加 >

 9)走らねばわが命尽く枯野かな <一弘 >

 10)走り根につまずきそうな年の暮れ <青い鳥 >

 11)老ゆること学ばず老ゆる年の暮  <貞夫>

 12)賛美歌を歌う子去りし暮れの街  <稚笑>

     原句は「賛美歌を歌う子の行く暮れの街」

★13)煤払ふ習ひも失せし団地住み  <沐雨>

 14)ヴィオロンの走り抜けたり枯葎 <寿々女>

 15)キッチンに夫腕まくり牡蠣フライ <おだまき>

 16)冬うららご祈祷の声空に延び <DORA>

 17)白一つぽっかり咲きし冬の薔薇 <かっちゃん>

     原句は「白一つぽっかり咲いて冬の薔薇」

 18)小鳥来て二人の会話始まれり  <すみれ>

     原句は「小鳥来て二人の会話始まりぬ」

○19)本数の減りしバス待つ冬麗 <悠>

 20)磨ぎ物の鑿の光りや粕湯酒 <たまご>

○21)冬嶺や下向く木馬遊園地  <幸作>

 22)見えざりし声走りゆく枇杷の花 <ごん太>

○23)木枯らしや仔犬と走る朝の風  <悦子>

◎24)なぞなぞのなぞも湯の中柚子の風呂  <TOPPO>

○25)悴みし手を吹き最終走者待つ  <走酔>

○26)倒れ込む走者を包む赤毛布  <三和奴>

 27)走性の人並みに入り年の暮 <釣人>

○28)小春日や歩成王手と打つてみる <弓人>

★29)川上へ助走し翔くる小白鳥 <萌>

     原句は「川上へ助走し翔くる小白鳥」

 30)寒暖の激しき一日歯科予約 <青い鳥>

 31)寒椿ごぼと水湧く音のして <国子>

○32)夜の影と昼の影持つ冬木かな <もとい>

◎33)數へ日やまだ見ぬ夢はあと幾つ <TOPPO>

○34)猪囲ひ見てより募る寂しさよ <萌>

    以上、選出句は34句でした。


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