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11月の巻・名人5句目 2004.11.30

冬の南郷庵にゐてひとり

<走酔>


自由句  特選   冬の南郷庵にゐてひとり   <走酔>

兼題「歩」特選   一徹な父の歩終り花八ッ手  <国子>

「南郷庵」は、小豆島の尾崎放哉の墓のあるところ。「みなんごうあん」と読みます。放哉はここで「咳をしてもひとり」と詠んで生涯を終わりました。掲出句は破調ですが、それがかえって、放哉への追悼になっています。もう一句の「冬空や離れて小さき墓ひとつ」もいい句でしたね。国子さんの句は、原句「一徹な父の歩終る花八ッ手」を少し直しました。


【ワンポイントアドバイス・11/30】
  冬萌や馬場跡といふ明るさに  (原句)
  冬萌や馬場跡といふ明るさよ  (添削)

   *<萌>さんの句。
    下五は「に」「にて」止めになると、少し中途半端になります。しっかり終わりましょう。

  二、三歩が上がり切れずに黄葉坂  (原句)
  二、三歩の上がり切れずよ黄葉坂  (添削)

   *<たまご>さんの句。
     俳句は「〜が〜して〜」というように、上から下まで説明にならないように。

  雑炊に残すスープの黄金色 (原句)
  雑炊や残るスープの黄金色 (添削)

   *<ひきつぼし>さんの句。
    上五を「〜や」として大きく切って、空白をつくりましょう。

  満月で搗いてくれよか月の客 (原句)
  満月で搗いてくれたき月の客 (添削)

   *<14歳の俳句大好き少年 >さんの句。
    この句は散文調です。上五で切って俳句的リズムを整えます。

2004/11月、第5週目の選考経過です。

兼題「歩」の句と自由句です。


最終選出句に★、ほかに◎、○、無印、の4種で、選の結果を示します。

 1)散紅葉気づかぬ二歩の王手飛車  <寿々女>

○2)北風に背中押さるる朝の市  <弓人>

 3)老い母の膝の仔犬と日向ぼこ  <飯吻>

 4)歩を片手笑みを堪えて日向ぼこ <かっちゃん>

 5)冬ざれや母の歩みの影法師 <一弘>

○6)短日や救急処置室前の椅子 <山法師>

○7)山下る歩荷蹴散らす落ち葉かな <悠>

 8)奥多摩の水車吐きたる紅葉かな <一弘>

 9)木枯らしや一夜二子の落ち葉山 <みやま>

 10)北風と斜めに歩く駅の前 <稚笑>

 11)黄落の路も砂地をより歩き  <青い鳥 >

 12)木枯らしのほろ酔ひきげん羅漢様  <悦子>

 13)幼子の伸ばす腕や冬うらら  <DORA>

○14)在りし日の母の歩みや紅葉狩り <ガス灯>

 15)師走来る道路工事のここかしこ <千絵>

 16)遣水の岸にすっくと石蕗の花 <おだまき>

○17)冬初め老犬の歩に倣らう足 <みやま>

 18)渋滞を縫うように歩く十二月  <ゆらぎ>

 19)風の後黄色の変わる歩道かな <ぱろぱろ>

★20)冬の南郷庵にゐてひとり <走酔>

 21)実南天赤きを隠す枝欲しや  <たまご >

     原句は「実南天赤きを隠す枝欲しく」

 22)まなうらに楊貴妃観音冬桜 <美加>

★23)一徹な父の歩終る花八ッ手  <国子>

○24)冬滿月つれてゆかれしひとのあり  <TOPPO>

 25)満月や搗いてくれたき月の客  <14歳の俳句大好き少年 >

     原句は「満月で搗いてくれよか月の客」

 26)大阪の懐かしき街冬ぬくし  <釣人>

○27)お囃子のまじる上州空つ風  <ひきつぼし>

     原句は「お囃子のまじる上州空風」

○28)三の酉にはかに風の吹き変はり  <たまご>

     原句は「三の酉にはかに風の吹き変はる」

○29)万歩計ゼロに戻すや帰り花  <萌>

 30)背を丸め歩む頭上の星冴ゆる  <三和奴>

    以上、選出句は30句でした。


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