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11月の巻・名人4句目 2004.11.24

カーディガン足して膨らむ旅鞄

<三和奴>


自由句  特選   柿落葉の濡るる舗道や退院す   <もとい>

兼題「旅」特選   カーディガン足して膨らむ旅鞄  <三和奴>

どんな旅に出たのでしょうか。鞄に荷をつめこんで、一度閉めてからもうひとつカーディガンを足したのです。この「カーディガン」から、北の方への旅だったような気がしますね。俳句は何もいわなくても旅なら旅のようすが、読む人の心にひろがってくる。そんな想像力をかきたてる句がいい句です。読み終わって、よく分かってもイメージがひろがらない句は失敗です。三和奴さんの句は、原句の「カバン」を「鞄」に直しました。もといさんの句は、原句「柿落葉濡れる舗道を退院す」を少し直しました。


【ワンポイントアドバイス・11/24】
  即決で深夜の旅出波の花  (原句)
  即決の深夜の旅や波の花  (添削)

   *<萌>さんの句。
    いい句です。でも「で」という助詞は強く、あまりいい響きではありません。「の」に・・・。

  時雨忌や行き交ふ年も旅の人  (原句)
  十一月行き交ふ年も旅の人   (添削)

   *<TOPPO>さんの句。
    中七、下五は「おくのほそ道」の冒頭の言葉。してみると「時雨忌」(芭蕉忌)はつきすぎです。

  明かり消しストーヴで聴く冬の旅 (原句)
  明かり消しストーヴの音の冬の旅 (添削)

   *<みやま>さんの句。
    中七から下五が説明に流れました。動詞は「消し」ひとつで十分でしょう。

2004/11月、第4週目の選考経過です。

兼題「旅」の句と自由句です。


最終選出句に★、ほかに◎、○、無印、の4種で、選の結果を示します。

○1)即決の深夜の旅や波の花  <萌>

     原句は「即決で深夜の旅出波の花」

 2)山茶花の咲いてしばしの雲隠れ  <かっちゃん>

 3)風邪心地どっこいしょーと背を丸め  <稚笑>

○4)小春日の朝の日差しを手に掬ふ <美加>

 5)色鳥や夢より出でて夢に継ぐ <みやま>

 6)西さして一人ゆく旅暮れ冴ゆる <たまご>

 7)紅葉葉の栞となりし思い出の旅 <ぱろぱろ>

 8)紅葉の柿の木一本小庭にも <暇舩>

 9)籠りたや鉤爪悲し三の酉 <竹早>

 10)あをあをと葛の葉遊ぶ枯木かな <山法師>

★11)柿落葉の濡るる舗道や退院す  <もとい>

     原句は「柿落葉濡れる舗道を退院」

 12)叱られてみたき故郷木守柿  <一弘>

○13)冬ぬくし母を誘ひし日帰りの旅  <千絵>

○14)折々の団栗ひろふひとり旅 <ガス灯>

 15)一駅で旅の終りぬ冬茜 <国子>

 16)しぐるるやみやげを急ぐ旅の駅 <おだまき>

 17)旅立ちの冬夕焼けの風にをり <悦子>

 18)降り立てばS字の小径駅小春  <かっちゃん>

 19)山茶花やお遊戯会の案内来る <DORA>

 20)家事介護家業に暮れし燗の酒 <みやま>

○21)海女小屋の戸板に釘す小六月  <弓人>

 22)雪便り頭の中はスラローム <貞夫>

★23)カーディガン足して膨らむ旅鞄  <三和奴>

     原句は「カーディガン足して膨らむ旅カバン」

○24)十一月行き交ふ年も旅の人  <TOPPO>

     原句は「時雨忌や行き交ふ年も旅の人」

 25)旅衣ポイとぬぎすて孫土産  <ふゆき>

 26)実南天啄ばまれ旅始まりぬ  <すみれ>

○27)外つ国へ娘旅立ち寒椿  <幸作>

 28)旅装解く湯気立つ煎茶のぬるむまで  <ゆらぎ>

 29)木枯やイヤホンで聞くユモレスク  <ひきつぼし>

○30)旅人算出遭ふをとことをんなかな  <悠>

    以上、選出句は30句でした。


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