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11月の巻・名人3句目 2004.11.16

大オリオンけふの怒りを鎮めけり

<TOPPO>


自由句  特選   大オリオンけふの怒りを鎮めけり   <TOPPO>

兼題「真」特選   今朝の冬涙もなしに泣く子かな    <かっちゃん>

空には、冬の大きなオリオンがまばたいているのです。きょう一日、いろいろなこどとがあったのでしょう。怒りに震えた出来事があったのかもしれません。その怒りを、オリオン星がつつみこんで、心が鎮まったのです。星を友にするTOPPOさんらしい句です。「けふの怒り」に。作者の実感がよくこもっています。かっちゃんさんの句、原句「立冬や涙もなしにただ泣く子」を少し直しました。


【ワンポイントアドバイス・11/16】
  落葉松降る熊避け鈴の通り過ぐ  (原句)
  落葉松降る熊避け鈴の音の中 (添削)

   *<ごん太>さんの句。
    一句のなかで動詞が多用されると、句がなかなか定まりません。一句一動詞を心がけましょう。

  刀疵古り屯所の石蕗花  (原句)
  刀疵古りし屯所の石蕗の花 (添削)

   *<すみれ>さんの句。
    中七のリズムがあいませんね。「古りし」として中七の音を整えてみましょう。

  亭主よりまず大菊が出迎えて (原句)
  亭主よりまず大菊が出迎えし (添削)

   *<おだまき>さんの句。
    止めはしっかり。「て」「にて」などとすると、後を続けたくなってしまいます。

2004/11月、第3週目の選考経過です。

兼題「涙」の句と自由句です。


最終選出句に★、ほかに◎、○、無印、の4種で、選の結果を示します。

○1)母老いて涙も忘る初時雨  <おだまき>

○2)訥弁の勧め上手や温め酒  <貞夫>

○3)母となりあふるる涙冬ぬくし  <飯吻>

 4)初霜の息白きかなアスファルト <竹早>

 5)風呂吹きの湯気より出でし招き猫 <寿々女>

○6)落葉松降る熊避け鈴の通り過ぐ <ごん太>

 7)島に帰る三年の涙胸に抱き <DORA>

 8)見下ろせば水漬く山古志ただ涙 <悠>

 9)花嫁の涙美し神無月 <ぱろぱろ>

 10)小春日や涙の跡の縞模様 <稚笑>

 11)石蕗咲くや壬生の屯所の刀疵  <すみれ>

◎12)あやふやな夢の欠片や布団干す  <ゆらぎ>

○13)人知れぬ厠の涙冬の星  <みやま>

 14)アラファトを悼む涙か初時雨 <弓人>

 15)老母の背に小春の日和ゆうるりと <おだまき>

 16)毛糸着て孫は手を振る脚を振る <青い鳥>

 17)風邪声の真面目に応えアンケート <千絵>

○18)凍つる空涙ぐましき介護かな  <美加>

 19)小春日やウオーキングの距離延ばす <三和奴>

     原句は「小春日にウオーキングの距離延ばす」

 20)休診の札吊しあり山眠る <一弘>

◎21)臥す父の涙の重さ石蕗の花  <山法師>

★22)大オリオンけふの怒りを鎮めけり <TOPPO>

 23)あれこれと脚立のパパに林檎指す  <国子>

○24)暮易し涙曇りの活字かな  <ひきつぼし>

 25)感涙の再会なりし冬帽子  <幸作>

 26)消えゆきし白い船影冬の雨  <釣人>

★27)今朝の冬涙もなしに泣く子 かな  <かっちゃん>

     原句は「立冬や涙もなしにただ泣く子」

○28)涙なき葬送ありぬ雪蛍  <萌>

○29)草虱取り合って乗る無人駅  <すみれ>

 30)草魂の心忘れじ月見なり  <暇舩>

○31)アザラシの涙目で見る天の川  <もとい>

    以上、選出句は31句でした。


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