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10月の巻・名人4句目 2004.10.26

暮るる秋いつもの店の濃き珈琲

<四度>


自由句  特選   暮るる秋いつもの店の濃き珈琲   <四度>

兼題「路」特選   街路樹の踏ん張つてゐし台風裡  <ゆらぎ>

喫茶店に入って、好みの濃い目の珈琲をのんでゆっくりくつろぎます。作者にとっては、この時間こそが、くつろぎの至福のひとときなのでしょう。「暮るる秋」は「暮秋」。秋のある日の一日ではなく、秋というシーズンの黄昏です。「秋の暮」と「暮の秋」の違いがあります。「濃き珈琲」に、作者のこだわりがみえますね。<ゆらぎ>さんの句は、原句「街路樹の踏ん張っており台風裡」を少し直しました。


【ワンポイントアドバイス・10/26)】
  秋遍路浜風に笠傾けて (原句)
  秋遍路浜風に笠傾けし (添削)

  数珠玉のお手玉となり宙を舞ひ (原句)
  数珠玉のお手玉となり宙を舞ふ (添削)

   *上の<もとい>さんの句、次の<飯吻>さんの句。
    どちらも、下五はなるべく終止形で止めましょう。

  露散らし光の中を犬二頭 (原句)
  露散らす光の中や犬二頭 (添削)

  紛糾の会議終わって月の夜 (原句)
  紛糾の会議終わりし月の夜 (添削)

   *上の<山法師 >さんの句、「露」と「走る犬」がきれいです。
    次の<ぱろぱろ>さんの句とともに、上五よりも中七で切ってみましょう。

  路線図の色重なりて秋麗ら (原句)
  路線図の色の重なり秋麗ら (添削)

   *<飯吻>さんの句。
    このままですと切れがありません。中七をしっかり止めてみました。
    似たような箇所で注意を受けたら、次は指摘されないよう気をつけてみましょう。

22004/10月、第4週目の選考経過です。

兼題「路」の句と自由句です。


最終選出句に★、ほかに◎、○、無印、の4種で、選の結果を示します。

○1)路線図の色の重なり秋麗ら  <飯吻>

     原句は「路線図の色重なりて秋麗ら」

 2)投手戦釣瓶落しのドローかな <寿々女>

★3)暮るる秋いつもの店の濃き珈琲  <四度>

 4)ぎしぎしと路地のうらうら山車ぐるま <おだまき>

 5)国道の路はきれぎれあけび熟む <たまご>

○6)霜降の朝の汽笛や隠岐航路 <釣人>

 7)コスモスや一緒に食べる握り飯 <ぱろぱろ>

○8)来し方の岐路幾たびや万年青の実 <美加>

     原句は「来し方に岐路幾たびや万年青の実」

 9)天心の紺広ごりて秋の渦 <もとい>

 10)よく眠り詮無い事と秋の朝 <稚笑>

 11)猫達の眠れる森に木の実ふる  <ガス灯>

 12)秋高く露天賑わし仁王門   <みやま>

○13)露散らす光の中や犬二頭  <山法師>

     原句は「露散らし光の中を犬二頭」

 14)関越路疾走しをりすすき咲く <暇舩>

 15)暗闇の迫る山路や菊の白 <かっちゃん>

○16)浅間嶺の雲路にまがふ神無月  <悠>

 17)梅もどき窓に頬杖つきしひと <幸作>

○18)霜降や死に往く犬の吻たたく <TOPPO>

○19)稲城ごと呑みて流るゝ暴れ川  <弓人>

 20)人波に逆らわず行く菊人形 <三和奴>

 21)秋天や道路に残る野分けあと <青い鳥>

 22)隊道の多き信濃路蕎麦の花  <国子>

○23)ふと路地を曲がる如くにクーの逝く <DORA>

 24)大根引く真実一路農に生く  <一弘>

 25)海童てふ名前を知るや夜半の秋  <千絵>

★26)街路樹の踏ん張つてゐし台風裡  <ゆらぎ>

     原句は「街路樹の踏ん張つており台風裡」

◎27)棟上げの宙高きかな秋燕  <美加>

     原句は「棟上げし宙高きかな去ぬ燕」〜「棟上げし真青な空に去ぬ燕」
     ご本人の推敲前の句を、少し直しました。

    以上、選出句は27句でした。


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