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10月の巻・名人1句目 2004.10.05

街の秋灯ふたりの長き影ひとつ

<めりい>


自由句  特選   お腹蹴る嬰の挨拶今朝の秋    <一弘>

兼題「街」特選   街の秋灯ふたりの長き影ひとつ  <めりい>

さすがに寺のご住職ですね。本堂の大きな庇と「居待月」がのぼりはじめた景を、大らかにとらえて見事です。「居待月」は、陰暦8月18日の月。「立待月」の次にあたる月の異名です。月の片側が暗くなりはじめ、名月より一時間ほどおくれてのぼってくるので、居間に坐って、ゆったりとした気分で月の出を迎える趣があります。

   帯ゆるく締めて故郷の居待月   <鈴木真砂女>


【ワンポイントアドバイス・9/28)】
  玉入れの球たかだかと秋の空 (原句)
  玉入れの球の落ち来し秋の空 (添削)

   *<弓人>さんの句。
    「秋の空」で「たかだか」は出ていますので、省略します。

  街角に号外舞ひをり銀杏散る (原句)
  街角に号外の舞ふ大銀杏   (添削)

   *<美加 >さんの句。
    一句のなかには、なるべく動詞はひとつにし、句の動きの焦点を絞ります。

  残り蚊や銀杏拾いに容赦なき (原句)
  どこまでも銀杏拾ふや容赦なし(添削)

   *<悠 >さんの句。
    一句のなかの季語はなるべくひとつにして、中心を絞ります。


22004/10月、第1週目の選考経過です。

兼題「街」の句と自由句です。


最終選出句に★、ほかに◎、○、無印、の4種で、選の結果を示します。

 1)青い空白い雲あり秋半ば   <暇舩>

 2)玉入れの球の落ち来し秋の空 <弓人>

     原句は「玉入れの球たかだかと秋の空」

○3)かくれんぼ鬼を残して月上る  <たぬき囃>

 4)チャップリンの「街の灯」の恋身にしむる <おだまき>

◎5)地下街を 出で秋風に 吹かれをり <飯吻>

◎6)角曲がり街に流るる金木犀 <稚笑>

 7)木の実掌に愛されたいと思う時 <ガス灯>

 8)厳かに新米の水加減する <四度>

○9)かくれんぼしつつ上りし居待月 <山法師>

★10)お腹蹴るややの挨拶今朝の秋 <一弘>

     原句は「お腹蹴るややの挨拶秋の朝」

 11)瀟洒なる異人館建つ煉瓦街  <たまご>

★12)街の秋灯ふたりの長き影ひとつ <めりい >

     原句は「街の灯に長きふたりの影ひとつ」

○13)秋の風ポケットに入れぐうちょきぱあ〜  <ゆらぎ>

 14)街路樹に赤み差したり山の町 <DORA>

 15)やや寒や酒の一本つけたろか <かっちゃん>

 16)クレーンの大きく動き街変わる  <ぱろぱろ>

◎17)釣瓶落し本屋街にはよく似合ふ  <他石>

     原句は「釣瓶落し本屋街にはよく似合い」

◎18)街々にイチローコール秋高し <美加>

     原句は「街々にイチローコールや秋高し」

 19)どこまでも銀杏拾ふや容赦なし  <悠>

     原句は「残り蚊や銀杏拾いに容赦なき」

 20)爽籟や足の遠のく繁華街 <尚々>

◎21)立待月被爆の街の祷りかな <TOPPO>

○22)銀座秋思普段着の街になりにけり  <国子>

◎23)爽やかや商店街のミニ水車  <千絵>

 24)さらさらと枯葉浚いし北の雲 <みやま>

◎25)海沿いの街の裏山薄紅葉  <釣人>

○26)葡萄色の街にあふれる一日かな  <青い鳥>

     原句は「葡萄色街にあふれる一日かな」

 27)市街地の銀杏並木に秋気配  <三和奴>

     原句は「野良猫の甘えてみたり秋彼岸」

 28)旅先のなき見知らぬ街や穴惑ひ  <寿々女>

     原句は「あてのなき見知らぬ街の穴惑ひ」

 29)身に入むや街にしみつく若き日々  <萩の風>

    以上、選出句は29句でした。


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