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9月の巻・名人4句目 2004.9.28

本堂の庇大きく居待月

<たぬき囃>


自由句  特選   一病を騙しだまして今年酒  <弓人>

兼題「本」特選   本堂の庇大きく居待月    <たぬき囃>

さすがに寺のご住職ですね。本堂の大きな庇と「居待月」がのぼりはじめた景を、大らかにとらえて見事です。「居待月」は、陰暦8月18日の月。「立待月」の次にあたる月の異名です。月の片側が暗くなりはじめ、名月より一時間ほどおくれてのぼってくるので、居間に坐って、ゆったりとした気分で月の出を迎える趣があります。

   帯ゆるく締めて故郷の居待月   <鈴木真砂女>


【ワンポイントアドバイス・9/28)】
  一病を騙し騙して今年酒   (原句)
  一病を騙しだまして今年酒 (添削)

   *<弓人>さんの句。
    同じ言葉を重ねる場合は、漢字から仮名まで
    表現に目を配りましょう。

  本番はこけてしまいし運動会 (原句)
  本番にこけてしまいし運動会 (添削)

   *<ゆらぎ>さんの句。
    「は」と「に」、助詞一字でもニュアンスが違ってきます。
    一字を大切にしましょう。

  絵本伏せまどろむ母子やぎすの鳴く    (原句)
  絵本伏せまどろむ母子や螽斯(きりぎりす)(添削)

   *<美加>さんの句。
    虫や鳥は、鳴くのがあたりまえ。
    「鳴く」は省略してしまいます。


22004/9月、第4週目の選考経過です。

兼題「本」の句と自由句です。


最終選出句に★、ほかに◎、○、無印、の4種で、選の結果を示します。

◎1)本棚の奥の内緒や秋うらら   <瑞葉>

 2)つかの間のチェロと蟋蟀二重奏 <桃桜>

 3)猫だって本音と建前すゞろ寒  <猫のくり>

★4)一病を騙しだまして今年酒 <弓人>

     原句は「一病を騙し騙して今年酒」

 5)本番にこけてしまいし運動会 <ゆらぎ >

     原句は「本番はこけてしまいし運動会」

○6)そぞろ寒布団延べれば猫の乗る <DORA>

○7)三本の束ねし矢あり鷹渡る <寿々女>

◎8)改革の本丸掲げて無月かな <おだまき>

○9)本当の蝉声出せと抓まるる <かっちゃん>

○10)芒野の風の走るを見てをりぬ <釣人>

○11)黒猫の擦り寄る足や月の夜  <ぱろぱろ>

○12)本無くて灯火親しむ歳と成る <尚々>

○13)本塁の遠き試合やそぞろ寒  <一弘 >

○14)本降りに残る木槿も濡れに濡れ <四度>

◎15)本当は笑い上戸よ白木槿 <ガス灯>

 16)煩らいを離れ花野へ一歩かな  <萩の風>

◎17)まなかひに犬の踏ん張る大花野  <TOPPO>

○18)めづらかな仮綴本や水木の実 <たまご>

★19)本堂の庇大きく居待月  <たぬき囃 >

 20)本流にどんぶりこと桃流れ来ず <美加>

 21)本棚に秋の句集を探しおり <青い鳥>

 22)閉じしより本の余韻や虫の声  <幸作>

 23)風任せ稲穂の漣黄金色  <海侍>

○24)ひたすらに携帯メールあけびかな <千絵>

 25)弧を描く指先に秋太極拳  <ごん太>

 26)秋の日や友より来たる俳句の本  <秋櫻>

○27)野良猫の甘えていたり秋彼岸  <悠 >

     原句は「野良猫の甘えてみたり秋彼岸」

○28)つんつんと子に弾かれし名残茄子  <飯吻 >

○29)まるしかく雲それぞれの秋に入る  <山法師>

 30)本心がすぐ顔にでる私です  <暇舩>

○31)本棚に椎の実ひとつぽつねんと  <稚笑>

○32)秋桜の揺るる脇道古本屋  <国子>

    以上、選出句は32句でした。


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