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9月の巻・名人2句目 2004.9.14

テロといふ悲しき連鎖曼珠沙華

<ぱろぱろ>


自由句  特選   テロといふ悲しき連鎖曼珠沙華  <ぱろぱろ>

兼題「風」特選   兄貴風吹かせて仰ぐ葡萄棚    <稚笑>

無辜の民、こどもまで巻き込むテロ、本当に「悲しき連鎖」ですね。その怒りが「曼珠沙華」という、真っ赤な色に噴出しました。俳句は世界最短の詩型ですから、悲しいとか嬉しいとかの喜怒哀楽は、言葉で表現しないほうが効果的なのですが、この句では、こういうしかなかったのです。原句は「テロという悲しみの連鎖曼珠沙華」でしたが、少し直しました。また、兼題句特選も、原句は「兄貴風吹かせて見上ぐブドウ棚」でしたが、少し直しました。


【ワンポイントアドバイス・9/14)】


  烏瓜投込寺に荷風の句 (原句)
  烏瓜投込寺の荷風の句 (添削)

  *<寿々女>さんの句。
  「〜に」は、場所を限定するのにいいのですが、
  「〜の」のほうが、やわらかい表現です。

  卒塔婆に白き芙蓉の寄り添ひて (原句)
  卒塔婆に白き芙蓉の寄り添ひし (添削)

  *<四度>さんの句。
  しっかり止めを示しましょう。
  「〜て」が、ここでは中途半端に響きます。

  診断の結果待つ間の秋の虹 (原句)
  診断の結果待つ間や秋の虹 (添削)

  *<飯吻>さんの句。
  俳句は、どこか1カ所を大きく切ると効果的です。
  この句は、中七で切れを作りましょう。


22004/9月、第2週目の選考経過です。

兼題「風」の句と自由句です。


最終選出句に★、ほかに◎、○、無印、の4種で、選の結果を示します。

○1)赤蜻蛉長邊衛の田にあつまれり <おだまき >

◎2)芒野や取材のヘリの低く飛ぶ <弓人>

○3)風の色朱く染まりし曼珠沙華  <山法師>

 4)風よ吹け断崖の上すすき生え <暇舩>

 5)烏瓜投込寺の荷風の句 <寿々女>

     *原句は「烏瓜投込寺に荷風の句」

★6)兄貴風吹かせて仰ぐ葡萄棚 <稚笑 >

     *原句は「兄貴風吹かせて見上ぐブドウ棚」

◎7)地の神の恋の焔や曼珠沙華 <ゆらぎ>

 8)一仕事終りて聞こゆ虫の声 <DORA>

○9)鬼の子や風ゆく方へ陽の方へ <TOPPO>

○10)妻の顔見たくて留守に障子貼る <かっちゃん>

○11)裏窓を風の叩くや秋彼岸  <ガス灯>

○12)マニキュアの見本色無き風とほる <千絵>

○13)本堂を吹抜く九月の風清し  <四度>

 14)鬼燈のすがれを見せて朱の確か <たまご>

 15)行き止まり狸小路の白き風 <たぬき囃>

○16)真っ新な風紋の上鶴来る  <美加>

 17)風そよぐ文化祭が花盛り  <青い鳥>

 18)秋空は青の階調藍探す <みやま>

 19)煙なき秋刀魚喰ふなり団地族  <悠>

 20)診断の結果待つ間や秋の虹 <飯吻>

     *原句は「診断の結果待つ間の秋の虹」

◎21)電気街月は遠きに出でし哉  <他石>

○22)みの虫の浅黄色せし風まとう  <ごん太>

★23)テロという悲しみの連鎖曼珠沙華  <ぱろぱろ>

 24)顔少し出しつ颱風見てをりぬ <釣人>

 25)忘れたる秋の風鈴風拾う  <国子>

 26)富士へ向く雲の急きたり台風過  <幸作>

 27)金風やボクの転失気ちとξ  <猫のくり>

     *「転失気」は、「おなら」のこと、「ξ」は「クサイ」

◎28)霧襖動きてぬっと巨船かな  <一弘 >

    以上、選出句は28句でした。


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