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8月の巻・名人3句目 2004.8.31

秋灯し命のことば配達中

<瑞葉>


自由句  特選   秋灯し命のことば配達中  <瑞葉>

兼題「水」特選   雲水の昨日の夢や唐辛子  <寿々女>

いろいろに受け取れことのできる句ですね。郵便屋さんが大切な手紙を配達してきた、ともとれますし、誰かの重要なことばを、ある人に伝えにやってきた人がいる、ともとれます。とにかく「秋灯し」ですから、もう秋も夕方のことですね。中七がとてもいい。原句は「秋灯し大事な言葉配達中」でしたが、少し直しました。


  水打ちてよろけし足の美しく  中村汀女

【ワンポイントアドバイス・8/31】

  底までは沈んでみたり桃冷やす (原句)
  水底に沈んでゐたり桃冷やす (添削)

  *<他石 >さんの句。
  「までは」「みたり」が、少し語りすぎ。
  自然体の表現のほうがいいのです。

  吊橋を渡れば露草一面に (原句)
  吊橋を渡り露草いちめんに (添削)

  *<美加>さんの句。
  「渡れば」は、説明調になっています。

  待ち合わせ時間に早き秋日傘 (原句)
  待ち合わせ時間に早し秋日傘 (添削)

  *<四度>さんの句。助動詞「し」は、江戸時代ごろから、
   完了の意味でも使われるようになりました。
   「早き」の「き」は過去の助動詞の終止形ですが、
   ここの切れは「し」のほうが、調子がいいように思います。

  葛這ふや閉鎖のゴルフ練習場 (原句)
  葛の花閉鎖のゴルフ練習場 (添削)

  *<千絵>さんの句。「這う」と「閉鎖」が付きすぎです。
   上五は「葛の花」ぐらいでいいでしょう。


2004/8月、スタート第3週目の選考経過です。

兼題「水」の句と自由句です。


最終選出句に★、ほかに◎、○、無印、の4種で、選の結果を示します。

★1)雲水の昨日の夢や唐辛子 <寿々女>

★2)秋灯し命のことば配達中 <瑞葉>

     *原句は「秋灯し大事な言葉配達中」

 3)息急きて登ればグリーン赤蜻蛉  <かっちゃん>

○4)力瘤見せあふ父子つくつくし <あや>

○5)水底に沈んでゐたり桃冷やす <他石>

     *原句は「底までは沈んでみたり桃冷やす」

 6)秋時雨置き傘持とうか濡れようか <稚笑>

○7)潤む目に滲む星河や万華鏡 <ゆらぎ>

 8)ぽつかりと群青の空颱風来 <山法師>

○9)奥入瀬の流れかにかく空高し <弓人>

○10)初嵐熱き紅茶を淹れんとす <四度>

 11)蜩や二十六聖人の祈りひとつ  <飯吻>

 12)花野での泥んこ遊び回顧録 <かっちゃん>

 13)鯔跳ねて入り日に落つる水の音  <国子>

 14)虚ろなるベビードールや風は秋 <美加 >

     *原句は「虚ろなるベビードールに風は秋」

◎15)逝く夏や残る二本の歯を磨く <一弘>

◎16)木犀やプールじまいを告げる紙  <悠>

 17)武蔵野にのこして逝けり秋の声  <ガス灯>

◎18)穴惑ひクロスワードのたての鍵 <TOPPO>

 19)松風のたもと酒酌む牧水忌  <幸作>

○20)澄みきって足早に秋近づきぬ <DORA >

     *原句は「水澄みて足早に秋近づきぬ」

 21)やはらかきぬひぐるみの犬綿日和  <秋櫻>

◎22)秋澄むや一瞬過る鳶の影  <釣人 >

○23)葛の花閉鎖のゴルフ練習場  <千絵>

     *原句は「葛這ふや閉鎖のゴルフ練習場」

 24)団欒に耳傾けし鉦叩き <おだまき>

     *原句は「団欒に耳傾ける鉦叩き」

 25)明け空の薄紅美しや金ノ風  <たまご>

     *原句は「明け空の薄紅美しく金ノ風」

 26)犬の日を選んで参る水天宮  <青い鳥>

 27)湧き出づる林の涼や垂るる水  <暇舩>

◎28)着信を知らせる光秋の闇  <ぱろぱろ>

 29)終戦日竹炭入りの水を乾す  <ごん太>

○30)逃げ水の逃げるが儘に坂登る  <尚々>

    以上、選出句は30句でした。


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