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8月の巻・名人1句目 2004.8.17
満月や楽譜の欠けし夜想曲
<美加>
自由句 特選 虫鳴くや万歩に満たぬ歩数計 <千絵>
兼題「月」特選 満月や楽譜の欠けし夜想曲 <美加>
名人句、いい句ですね。完全無欠の満月、その下で弾く夜想曲、その楽譜の一部がどこかに行ってしまったのでしょうか。「満」と「欠」の対照によって、この句に一層の深みが出ました。俳句は短い詩型なので、一句の中に対照的なもの(大と小、満と欠、濃と淡、丸と角・・・など)が、はっきり配置されると、景が鮮明に浮かびます。
満月や戦ふ猫はのびあがり <加藤楸邨>
【ワンポイントアドバイス・8/17)】
悪餓鬼で通りし過日百日紅 (原句)
悪餓鬼で通りしわれに百日紅 (添削)
*<かっちゃん>さんの句。
「〜し」は過去の助動詞。そこに「過日」と過去を繰り返す必要はありません。
白い紙ハサミでまぁるくお月さま (原句)
白き紙にハサミまぁるくお月さま (添削)
*<稚笑>さんの句。
助詞「〜で〜」が、原因結果を説明するような感があります。
そういう使い方は避けるようにしましょう。
静か夜や茶碗に月の一つずつ (原句)
静かさや茶碗に一つずつの月 (添削)
*<釣人>さんの句。「月」に「夜」はいらないでしょう。
2004/8月、スタート第1週目の選考経過です。兼題「月」の句と自由句です。
最終選出句に★、ほかに◎、○、無印、の4種で、選の結果を示します。
○1)ノブ廻すうるんだ瞳夏の月 <ごん太 >
○2)天翔し月と雲との鬼ごっこ <ゆらぎ>
◎3)こめかみの痛みあの日も敗戦忌 <たまご>
4)彼岸会や携帯メールの若き僧 <たぬき囃>
○5)かなかなや悔やみ切れざることひとつ <山法師 >
*原句は「かなかなや悔やみ切れないことのあり」
○6)わたつみの心うつろひ終戦日 <弓人>
7)一日のあたふたと暮れ花木槿 <飯吻>
8)悪餓鬼で通りしわれに百日紅 <かっちゃん>
*原句は「悪餓鬼で通りし過日百日紅」
9)肩先の光る女の秋浅し <四度>
10)白き紙にハサミまぁるくお月さま <稚笑>
*原句は「白い紙ハサミでまぁるくお月さま」
11)慈雨来り先祖の御霊潤ひし <青い鳥>
*原句は「慈雨降りて先祖の御霊潤えり」
12)立秋や母に感謝の誕生日 <おだまき>
13)百日紅終わりも近く五十台 <尚々>
★14)満月や楽譜の欠けし夜想曲 <美加>
○15)月天心セロの音澄みて岩木山 <ガス灯>
16)見送りて後姿の盆の月 <桃桜 >
◎17)銅鑼鳴りて漕ぎ出だしたり月の船 <悠>
18)口枷の老犬見上ぐ星月夜 <幸作>
★19)虫鳴くや万歩に満たぬ歩数計 <千絵>
20)静かさや茶碗に一つずつの月 <釣人>
*原句は「静か夜や茶碗に月の一つずつ」
◎21)バカヤロー夏の終わりの丸き月 <ぱろぱろ>
*原句は「バカヤロー夏の終わりの丸い月」
22)義士二人錦紅湾に月映える <暇船>
○23)月ひとつ故郷の山に添うてあり <DORA >
24)アテネでもサマワでも月清しけれ <寿々女>
25)月浴びて隣の娘のやさしけり <瑞葉>
○26)寄り添うて犬も降り來る盆の路 <TOPPO>
以上、選出句は26句でした。
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