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第15巻埋字しりとり6句目 2004.7.20

黒揚羽天の渚を恋ふらしき

<あや>



この句は、「天の渚」で決まりです。「黒揚羽」が「天」へ翔けるのは「天の渚」を恋うているから・・・、というのです。「天の渚」とは何と素敵な言葉でしょう。「恋ふらしき」は、天の渚に恋をしているだろうか、いやきっとそうに違いない、の意です。「黒揚羽」の「黒」と、天の「蒼」との色の対比もよく見えてきます。


【寒太俳句噺(96)】


世の中の動きのテンポが、一段と速く複雑に動いていきます。が、俳句の世界だけは、なるべくゆっくり、スローライフに動いてほしい、そんなふうに思っています。なかなか思うほどにはいかないのですが、気持ちだけでもそうありたいと思います。スピードが命、の時代であればなお、俳句のこんな世界を大切にしたい、そう思います。





さて、第15巻・6句目のお題

「天」の選考経過です。


最終選考に残った句には★、ほかに◎、○、無印、の4種で、予選結果を掲げます。


 1)炎天や電柱影の信号待ち <茜>

 2)梅雨明けや天から日ざしが降る如し <青い鳥>

 3)色とりどり天の恵みの夏野菜  <千絵>

 4)白日の暑さ天網漏れも無き <弓人>

 5)芋の葉の天たまはりし露踊る <たまご>

○6)水筒を満たす天水夏の嶺 <悠>

 7)合歓の咲く淵の色なる天河石 <DORA>

 8)天に飛びわる者退治羊雲 <暇船>

 9)夏星夜天にも地にも我一人 <ぱろぱろ>

○10)夕焼の天に宝を積みにけり <TOPPO>

 11)鬼百合の赤壁天井青き空  <釣人>

◎12)祈る手の天に向かいて原爆忌 <おだまき>

 13)天道虫すぐにころんと死んだまね  <山法師>

 14)天気予報うんざりと聞く炎暑かな <ぱろぱろ>

○15)中天にオオムラサキの乱舞かな <尚々>

★16)黒揚羽天の渚を恋ふらしき  <あや>

 17)悪天のまだおさまらず出水かな  <emio>

 18)比叡山静か風炎天に捉えらる <たぬき囃>

 19)僕なんか天涯孤独大昼寝  <猫のくり>

 20)天文学を愛でし娘のあり夕涼み <秋櫻>

 21)梅雨明けや天麩羅を食ふ休講日  <幸作 >

○22)天国へ続く道かな蟻の道  <美加>

 23)天眼鏡覗けばゆうらり水中花  <飯吻>

 24)天瓜粉煙を立てて子の走る <稚笑>

○25)地に滲みる天より零れし蝉時雨  <ゆらぎ>

 26)涼風や天涯孤独の野良の猫  <風太>

 27)炎天下猫も通らぬ歩道かな  <桃桜>

 28)一天のさえぎりなくて蝉時雨  <寿々女>

    以上、選出句は28句でした。


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