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第14巻埋字しりとり8句目 2004.6.1

家並みの途絶えしところ夏の海

<ぱろぱろ>



原句は「家並みの途絶えし所夏の海」ですが、漢字遣いを少し直しました。家並みに沿って歩いていくと、次第に家がまばらになり、やがて人家がなくなったところに、突如、海が広がっていた、というのです。窮屈そうに軒を並べる家並みと「夏の海」の爽快さ。その対照がよく出ましたね。俳句の配合の効果を見事に見せてくれました。


【寒太俳句噺(89)】


今年は、江戸時代の俳聖・松尾芭蕉が生まれてから、ちょうど360年目にあたります。それを記念して、芭蕉の生誕地・三重県上野市や、芭蕉の紀行文「おくのほそ道」の結びの地・岐阜県大垣市などをはじめ、松島、日光、山中などの芭蕉ゆかりの地で、大がかりな芭蕉祭がひらかれるようです。それにともなって大俳句大会などの行われるところもありますので、興味のある方は、お見逃しなく・・・。





さて、第14巻・8句目のお題

「家」の選考経過です。


最終選考に残った句には★、ほかに◎、○、無印、の4種で、予選結果を掲げます。


 1)立ち退きし家の変化や茄子の花 <幸作>

 2)十薬に家の二方を囲まるる <尚々>

◎3)ここよりは奈良井の家並み青嵐  <きらきら星>

 4)家事終へてコラム読むなりソーダ水 <萌>

○5)代替わり実家遠のく蝸牛 <茜>

 6)火取虫女系家族の風呂仕舞ふ <寿々女>

 7)家並みぬけ国道沿いの植田かな <DORA>

 8)息抜きの家庭菜園不如帰 <千絵>

 9)一家して耳欹てし時鳥 <保母 保>

 10)大網戸洗ひて古家めかしたり <ルナ>

 11)草競馬日傘の多き家族連れ  <青い鳥>

 12)蝸牛五ミリで一家を背負ひをり <山法師>

 13)一つ家にゐて五月雨の音をきく  <飯吻>

○14)風鈴の音色涼しき町家かな <美加>

 15)サンダルをつっかけ小さな家出して <稚笑>

○16)ダービーのテレビに寄りて小家族  <TOPPO>

 17)語り継ぐ絶えし隣家の桐の花  <ガス灯 >

 18)里山を背に一軒家夏の雲 <瑞葉>

 19)浮人形ひとりぼっちの家族風呂  <五十雀>

○20)家中の顔を揃へて油虫  <弓人>

★21)家並みの途絶えしところ夏の海  <ぱろぱろ>

     *原句は「家並みの途絶えし所夏の海」

 22)彫刻家アトリエに居り夏やつれ  <四度>

○23)家々の黴を太らせ梅雨前線  <北北西>

 24)白秋の生家にユリとデスマスク <澄湖>

 25)三界に家はなけれど梅漬ける  <おだまき>

 26)蛍にも平家源氏のいるといふ  <かっちゃん>

 27)走馬燈家つき娘さりげなく  <たまご>

 28)漁家高く吊り干されたりひらきあじ  <釣人>

 29)朴の花家督を想い静かなり  <桃桜>

 30)雨宿り簾の家の気配なき  <悠>

 31)病み上がり自家製梅酒身を癒す  <ちびすけ>

    以上、選出句は31句でした。


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