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第14巻埋字しりとり2句目 2004.4.20
あかねさす蒲生野は今代田なり
<おだまき>
「蒲生野」は、琵琶湖の東の岸、近江の国・蒲生郡に広がっていた野です。天智天皇はここで薬猟を行っています。額田王(ぬかたのおおきみ)と大海人皇子(おおあまのおうじ)の「あかねさす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る」の相聞歌は有名ですね。その蒲生野は、いまは苗代となりました。苗が青々と風になびいているのが見えます。「野」から、ここまで飛躍したおだまきさんの発想に感心しました。
【寒太俳句噺(83)】
「毎日俳句大賞」は、すでに投句の締め切りもすぎ、今年もほぼ例年通りの応募数が集まった。目下、選考中である。一般の部も盛況だが、こどもの部も、なかなかの力作ぞろい。たとえば、以前目にしたこどもの句を紹介してみると、
シャボン玉地球の逆転はじまった
新月高く岸にきらめく海に反射
前句は日本のこどもの句、後句は中国のこどもの句。傾向を見ると、日本の子どもの作品は定型にはまり、外国の子どもの作品は、総じて長い。
さて、第14巻・2句目のお題「野」の選考経過です。
最終選考に残った句には★、ほかに◎、○、無印、の4種で、予選結果を掲げます。
○1)里山の焼野にかかる一つ橋 <五十雀>
◎2)曾良の跡追ひし那須野の夏薊 <千絵>
○3)野仏も前掛け着替え夏近し <釣人>
○4)さみどりの風すきとほる野良着かな <悠>
◎5)野遊びの匂いまといて子の眠る <三和奴>
○6)気がつけば野暮用ばかりつばめの子 <ルナ>
○7)逝水を野に追い求め薄暑かな <保母 保>
○8)五輪待つ野外劇場青き空 <ぱろぱろ>
◎9)土筆野や海の向こうに戦の火 <瑞葉>
10)武蔵野の野山走るや五月晴れ <暇船>
11)描きて夏赤き原野の続きをり <かっちゃん>
12)薫風や野球選手の尻でかし <尚々>
13)片栗の花さり気なく野を染める <ちびすけ>
○14)解放の喜び伝う野の蓮華 <青い鳥>
15)初夏の風野球少年ぬぐ帽子 <四度>
○16)鼻黒し山野に背伸びの鼬の子 <ゆらぎ>
★17)あかねさす蒲生野は今代田なり <おだまき>
○18)未だ外野この地に嫁して三十年の夏 <山法師>
○19)夏めける出勤まえの草野球 <きらきら星>
20)野を行けば筍伸びゆ薄暑かな <DORA>
○21)薄き殻野の色にして蝉生る <TOPPO>
○22)子離れの出来ない父の夏野かな <北北西>
◎23)てらひなく愛を告げをり野中の薔薇 <美加>
24)自らの脈取る癖や野に遊ぶ <澄湖>
25)野蒜採る妻の後からポチがゐき <麦秋>
○26)所在なく夜店に並ぶ山野草 <稚笑>
27)サングラス少し浮き立つ野良仕事 <青空>
○28)指先に野の香びんびん夏わらび <茜>
29)谷若葉圭角取れし野天風呂 <寿々女>
30)母の日に野の花一輪夏の朝 <桃桜>
○31)卯月野や草食む馬の首太し <たまご>
○32)野趣の香を籠に溢すや蕗の雨 <弓人>
33)野の虫も雨宿りかな破れ傘 <章文駄>
◎34)野晒しの赤き自転車夏きざす <飯吻>
以上、選出句は34句でした。
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