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第13巻埋字しりとり挙句 2004.4.05

秩父路の瀞の青さや花吹雪

<萌>



挙句が決まりました。みごと、きれいに着地しましたね。荒川の中流域に位置する景勝地、長瀞(ながとろ)。美しく澄んだ瀞の青さは、独特のものです。そこに、ちらちらと散ってゆく花吹雪の白との取り合わせが、美しいですね。青と白の色の対比が、実に印象的です。挙句にふさわしく、素直な俳句にまとまりました。今週から、また新しい巻に入ります。



【寒太俳句噺(81)】


芭蕉の晩年、「おくのほそ道」の旅も終わりにさしかかったころ唱えはじめた美学に、「不易流行」があります。「不易」は、文字通り永遠に変わらないもの。「流行」は、時代とともに変化してゆくものです。このふたつは、一見、反対(矛盾している)のように思えますが、実は、その底を流れる精神はひとつです。芭蕉は「不易」と「流行」の統一をめざしていたのです。





さて、第13巻・挙句のお題

「青」の選考経過です。


最終選考に残った句には★、ほかに◎、○、無印、の4種で、予選結果を掲げます。


◎1)青空のはるか向かうに桜山 <青い鳥>

○2)入社式目に少し青さしてみる <山法師>

 3)のびのびと青銅の屋根桜越し  <悠>

○4)青白きショーケースの中春の魚 <ゆらぎ>

 5)青き空目指しものの芽背伸びかな <ちびすけ>

○6)ひばり鳴く空の真青に昼の月 <DORA>

 7)昼酒や青空笑う花笑う <ぱろぱろ>

◎8)群青の海どこまでも鳥雲に <美加>

◎9)この人を師と決めてより青き踏む <千絵>

○10)花過ぎの空際青くあるばかり <TOPPO>

 11)青山はいづくにありや卒業子  <たまご>

 12)街灯の青き朧や涙雨 <章文駄>

 13)青天の霹靂も無し四月馬鹿  <尚々>

○14)春の星何処へ行くや青列車 <ルナ>

 15)さざ波や佐保姫おわす青き湖 <おだまき>

 16)入園児その手は母と青信号  <弓人>

 17)青空に風船吊られ子も吊られ  <釣人>

 18)あおやねのついのすみかやかぜひかる <かめ>

 19)青雲の想い何処桜花声  <暇船>

○20)青空をキャンバスにして花吹雪  <北北西>

 21)席取りの青きシートに散る落花  <澄湖>

 22)青き湖水輪のいくつ初蛙  <ガス灯>

 23)花の雨止み青きは山煙り  <瑞葉>

 24)血管の浮き出し青さ花見時 <染女花>

 25)青信号桜の色に染まりけり  <桃桜>

 26)ほんわりと勿忘草の惚けた青  <稚笑>

 27)青空の花の下行く夫婦かな  <茜 >

 28)花植樹青き美空に解き放し  <保母 保>

○29)花陰の青々として揺るぎなし  <飯吻>

 30)青柳や逆転劇の夢の醒め  <寿々女>

○31)チェーホフはうわの空かなさくら餅   <他石>

○32)空の青少しもらってヒヤシンス  <四度>

○33)源流の水音ふくらむ青嵐  <きらきら星>

○34)青筋も耳そばだてる初音かな  <ルナ>

○35)春雨や麦の青さの染み渡り  <sikinodesi>

     *原句は「春雨に麦の青さが染み渡り」

○36)掬ひ上ぐ青空微温し磯遊び  <青空>

○37)菜の花やひときわ青き空の色  <かっちゃん>

★38)秩父路の瀞の青さや花吹雪  <萌>

    以上、選出句は38句でした。


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