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第13巻埋字しりとり7句目 2004.3.22

軒先のセールスの声麗らかや

<保母 保>



「こんにちは・・・」、それはセールスの声に違いありません。弾んだ声に何となく暖かみがあって、いかにも春「うららか」な、そんな日和なのです。セールスの人の姿を、はっきりと見ているわけではないのでしょうが、あくまでも作者は「声」によって「うららか」を感じたのでしょう。そこが好ましく、春らしくていいのです。原句は「麗らかや軒先にセールスの声」でしたが、少し直しました。



【寒太俳句噺(79)】


南の方はもちろん、東京でも桜の開花が始まったようですが、土曜日は急に牡丹雪が降って驚かされました。20〜21日の土・日と、新潟県の小国(おぐに)に行きました。上越新幹線で長岡下車。さらに車で1時間ほど奥に入ったところが小国郷。日本でも有数の豪雪地帯です。小国はまだ冬で、この雪が解けるのは四月の終わりころだそうです。縦長日本列島を、つくづく感じさせられた2日間でした。

   冒頭に先づ花と書く伊賀の国   寒太





さて、第13巻・7句目のお題

「先」の選考経過です。


最終選考に残った句には★、ほかに◎、○、無印、の4種で、予選結果を掲げます。


 1)文書くやペンの先まで朧かな <澄湖>

○2)体温を先ず脱ぎ捨てる花衣 <きらきら星>

◎3)この人とこの先も行く日永かな  <美加>

 4)先生も生徒も涙卒園す <青い鳥>

 5)ジョギングの女生徒の先かげろへり <千絵>

 6)湖の鮒巣離れて竿の先 <弓人>

 7)先取りて和気藹々の花見酒 <寿々女>

 8)先ず一献花咲く丘の同窓会 <ぱろぱろ>

 9)先約にジェラシーのあり春の闇 <釣人>

 10)かもめらの水先案内春の風 <ルナ>

 11)先の先剣道遠き梅散りぬ  <暇船>

 12)枝先の弾けむと待つ弥生かな <悠>

 13)網衆の海峡渡る撥の先  <章文駄>

◎14)鉛筆の先尖らせて4月来る <山法師>

○15)先頭を春蝶の行くトレッキング <北北西>

 16)その先は触れず仲人桜漬  <信天翁>

 17)先に寝て後から起きる妻朧  <尚々>

 18)鼻先に香るセリの葉旬愛でる <ちびすけ>

 19)笹舟の水先案内落花かな  <風太>

 20)しゃぼん玉先にぽっかり飛行船  <かっちゃん>

◎21)まつ黒き犬の鼻先土の春  <TOPPO>

○22)彼とゐてテールランプの先おぼろ  <たまご>

★23)軒先のセールスの声麗らかや  <保母 保>

     *原句は「麗らかや軒先にセールスの声」

◎24)先制のアテネへシュート花の雨 <あや>

 25)穂の先に 光宿らせ 青き麦  <飯吻>

 26)「さくら餅」店先に墨薄き文字  <四度>

 27)パステルは春の色なり爪の先  <他石>

○28)運びゆく靴先に春光りけり  <かめ>

 29)後先に走る犬あり土筆摘む  <DORA>

○30)暁のほぐぐる先や紫木蓮  <ゆらぎ>

 31)幸せは目と鼻の先桜漬け   <稚笑>

 32)春愁や猫のすり寄る足の先  <ガス灯>

○33)白木蓮空のその先空であり  <瑞葉>

 34)真つ先に朝日の当たる紫木蓮  <青空>

    以上、選出句は34句でした。


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