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第13巻埋字しりとり6句目 2004.3.16

種選び爪の先まで瓜ふたつ

<山法師>



「爪」と「瓜」で苦労させた今回の出題。その両方を入れて、みごとに俳句にしてしまった山法師さんに脱帽です。「種選び」という細かい仕事・・・、どうしても「爪」先に目が注目しますが、その「爪」が「瓜ふたつ」だったというのです。誰に似ていたのでしょう。母親? それとも父親? いろいろに想像させる、いい句です。原句は「種選び指の爪まで瓜ふたつ」でしたが、少し直しました。

   瓜生卓造雪嶺に死す二十年   <寒太>



【寒太俳句噺(78)】


決定句の最後につけた「瓜生卓造」さんは山岳作家です。叩いても死なないような頑健な体だったのに、あっけなく逝ってしまいました。俳句はつくりませんでしたが、一緒に吟行にくっついてきて、ひとり離れて飲んでいました。伊那に死した「井上井月」のことを書いた「漂鳥のうた」の取材にいったことを、いまでもなつかしく思い出します。





さて、第13巻・6句目のお題

「瓜」の選考経過です。


最終選考に残った句には★、ほかに◎、○、無印、の4種で、予選結果を掲げます。


 1)彼岸西風墓前の母娘瓜二つ <寿々女>

 2)瓜メロン区別が付かぬ養花天 <猫のくり>

 3)瓜実の流し目朧春一番  <暇船>

 4)朝取りの胡瓜脈打つ猫車 <信天翁>

 5)若草や我にも少し糸瓜水 <ルナ>

 6)花立の木瓜紋や春彼岸 <DORA>

 7)瓜二つ双子の背中春の野辺 <瑞葉>

 8)ブランチの南瓜のサラダ囀れり <きらきら星>

 9)ベビーカー瓜二つの子春日中 <青い鳥>

○10)瓜姫のいつか嫁ぐ日友雲雀 <TOPPO>

 11)春日や丸に木瓜の一張羅  <章文駄>

○12)兄弟の瓜分の土地や春ほこり <千絵>

 13)畑打や瓜の種まくつもりなり  <弓人>

 14)瓜噛めば遙か慕情の草揺れる <真由美>

 15)手つなぎし瓜二つの子新学期 <釣人>

 16)鳥曇 糸瓜束子の痩せ細り  <飯吻>

 17)春の山ぽつんと残った烏瓜  <ぱろぱろ>

 18)深爪のやるせなきすべ春の宵 <他石>

 19)無い便り無事の便りと瓜の苗  <たまご>

 20)瓜食みし憶良が想いツバメの子  <悠>

 21)瓜実顔を描き遠のく春の音  <かっちゃん>

 22)一切れの瓜漬け譲る春夕餉  <茜>

 23)シャボン玉吹く孫とじい瓜ふたつ  <ちびすけ>

○24)花の風テーブルクロスの爪哇更紗 <ゆらぎ>

 25)花便り瓜期となりせし任地の子  <たぬき囃>

★26)種選び爪の先まで瓜ふたつ  <山法師>

     *原句は「種選び指の爪まで瓜ふたつ」

 27)瓜と爪辞書引く手元春の塵  <稚笑>

○28)春眠や南瓜の馬車のやってきし  <あや>

 29)糠床の塩の旨味や瓜に染む  <染女花>

 30)卒業子瓜ざね顔は祖母似なる  <澄湖>

○31)野蒜摘むいとこはとこの瓜二つ   <美加>

 32)北窓を開けて見付ける翁瓜  <尚々>

 33)胡瓜草畦には畦の春宿り  <保母 保>

 34)春風やすかすか揺るる烏瓜  <かめ>

 35)春憂ふ天邪鬼には瓜子姫  <四度>

 36)卒業のコサージュ眩しい糸瓜襟  <ぱろぱろ>

 37)野遊びの過ぎて10分胡瓜パック  <青空>

 38)それぞれの瓜二つの無し桜貝  <北北西>

     *原句は「それぞれは瓜二つの無し桜貝」

 39)瓜ふたつ見上げる姉妹花杏  <桃桜>

    以上、選出句は39句でした。


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