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第13巻埋字しりとり5句目 2004.3.09
木瓜の紅美し過ぎて哀しけり
<かめ>
下5の「哀しけり」は、少し情に流れすぎたかもしれません。でも、紅い「木瓜」の花をみつめると、本当にそんな気分になりますね。中7の「すぎて」という表現に、この句の眼目があります。作者の思いも、そこにこめられているのでしょう。こういう句も、あっていいでしょう。
月下美人雄蕊雌蕊の火神(ほがみ)かな
【寒太俳句噺(77)】
このあいだ、一泊の吟行で「袋廻し」をやりました。江戸時代に流行した俳句の遊びですが、あらかじめ各自に袋(封筒でもいい)を渡し、それぞれに自分の好きな題(季語でも、それ以外の単語でもいい)を書き、その題で5、6分間に時間を決め、出来た句を出来ただけ袋に入れ、時間が来たらそれを次の人に廻します。一巡したら終了。それを各自で清書して、あとは普通の句会のように廻して選句、批評する、というものです。一度ためしてみては如何? なかなか面白いものですよ。
さて、第13巻・5句目のお題「美」の選考経過です。
最終選考に残った句には★、ほかに◎、○、無印、の4種で、予選結果を掲げます。
1)春の宵美空ひばりに酔つてをり <釣人>
2)春拾ふ渥美半島浜づたひ <悠>
3)消えうせし美濃の焼き皿春野菜 <ルナ>
4)春うらら乙女いつしか美姫となり <茜>
5)美酒美肴美玉美酔の舞桜 <章文駄>
6)ちらし寿司美々しく盛りて雛の宵 <DORA>
○7)青き踏む美瑛の丘のはるかかな <きらきら星>
8)花冷や賛美歌漏るる萱屋より <信天翁>
9)春なれや甘し酒あり美し国 <弓人>
○10)梅散るや美しくもあり老いの波 <ゆらぎ>
◎11)春うらら美酒あり友あり花もあり <三和奴>
12)美代ちゃんの鼻緒も赤く春うらら <ぱろぱろ>
○13)穴出でし蛇の全身嘆美せる <澄湖>
14)美辞麗句なにもいらない猫の恋 <DORA家のクー>
○15)たんぽぽの絮追ひかけし美少年 <美加>
16)春日差す地蔵は美男でおわします <青い鳥>
17)心から生きるが美学春を行く <真由美>
18)青き踏む大きな羊美しき <猫のくり>
○19)美しきをとこの泪梅月夜 <千絵>
20)熊食す美味なる恵みふきのとう <怒髪天>
★21)木瓜の紅美し過ぎて哀しけり <かめ>
○22)嘘すこし加へし美談種袋 <あや>
23)春浅し美術授業中の独り言 <瑞葉>
24)美酒もまた山門に入る春彼岸 <たぬき囃>
○25)麦青しノースリーブの美大生 <他石>
○26)美しき仮面の下や春の闇 <ガス灯>
○27)薄紅梅鳥発ちはらはら美しき <稚笑>
◎28)犬逝きてみとせの花の美しき <TOPPO>
29)ふらここの子供に混じる美形かな <かっちゃん>
30)美少年たりし昔日春疾風 <尚々>
○31)黒々と ただ美しき 春の土 <飯吻>
○32)母のしわ一つ一つの美しく <sikinodesi>
*原句は「母のしわ一つ一つが美しく」
○33)美人の湯 戸板立てられ山笑う <北北西>
34)鶯や美声となりてたけるなり <四度>
35)美術館菜の花色の中にあり <麦秋>
36)声美人春満月に向かいおり <仲々>
○37)春の灯に美酒ゆらゆらと浅き酔ひ <青空>
38)春蘭の美人の如したおやかに <桃桜>
39)美しく雪積もりをり桜島 <暇船>
○40)濁声の 美声に混じり 卒業歌 <寿々女>
○41)鶯の障子の桟に美しき <たまご >
○42)美はしや涙の中の朧月 <山法師>
以上、選出句は42句でした。
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