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第13巻埋字しりとり1句目 2004.2.10

何も無き日の過ぎにけり春はじめ

<DORA>



冬の間は、公私ともにいろいろなことがあったのでしょうか。だから、かえって、何 ごともなく過ぎてゆく日々に、作者は平穏を感じているのかもしれませんね。「春は じめ」という、ゆったりとした季語が、作者のいまの心を映しているのかもしれませ ん。大らかで心安らかな、いい句です。原句は「何も無く日過ぎてゆく春はじめ」で したが、少し直しました。

  秋の蝶何れを身魂とぞ思ふ

        <寒太>



【寒太俳句噺(73)】


俳句の特色を三つ、といえば、季語と定型と切れ、でしょう。では、この三つの中 で、さらにどのひとつが大切かと問われると、人によって異なるでしょうが、ひとつ だけといわれれば、やはり「季語」でしょう。定型はいずれは亡びても、季語をなく した時には、俳句が亡びる時ではないでしょうか。なぜ俳句には季語が必要なのか、 意外に考えていないのも、これまた俳人たちかもしれません。





さて、第13巻・1句目のお題

「何」の選考経過です。


最終選考に残った句には★、ほかに◎、○、無印、の4種で、予選結果を掲げます。


 1)何食わぬ顔して渡すヴァレンタイン <ルナ>

○2)つくしんぼ何処か不安気な顔を出し <ゆらぎ>

○3)一斉に放つ風船何処までも  <千絵>

 4)何となく和紙の温みの結氷湖 <萌>

 5)猫の恋何が何だか分からない <猫のくり>

 6)生まれくる春は如何と蕗の薹 <ぱろぱろ>

◎7)春の風けふは何処へ歩き神 <TOPPO>

 8)春風や何処へ向かうフルムーン <釣人>

○9)風船の赤の紛れず何処までも <たまご>

 10)霾るや何首烏煎じる古土瓶 <信天翁>

○11)何となく化粧して見る春だもの  <青い鳥>

 12)春めいて何かしたいな講座表 <山法師>

 13)何事も忘れ笑顔や春ショール  <瑞葉>

 14)麗かやハーンを読みし俳句の娘  <寿々女>

 15)何もなく五十余の春迎えたり <染女花>

○16)何気なく倚るる柱のあたたかし  <ガス灯>

○17)古雛の主何代変りしや  <美加>

○18)立春や昨日追はれし鬼何処 <麦秋>

○19)何気なき言葉の重み春の雨  <きらきら星>

○20)探梅や何処まで続く石畳  <千絵>

 21)何処へとアルバム整理雪解月  <他石>

 22)何とまあ次ぎから次ぎと春嵐  <かめ>

 23)白梅や埴輪何みる目の空ろ  <美加>

 24)雪大地何色えがく絵筆かな <真由美>

 25)何時いつと問われうなだる春の昼  <仲々>

 26)答弁の何の実ある春会議  <ルナ>

 27)何食わぬ顔して戯れ猫のをり  <茜>

 28)何となく会話ころがり春兆す  <稚笑>

 29)何がしか香り立ちをり枇杷の花  <かっちゃん>

○30)何くわぬ貌してもどり恋の猫  <あや>

 31)何となく幸せ朝寝の日差しかな  <風太>

 32)如何ですの声掛けてゆく蓬道  <弓人>

○33)何もかも君にあづけむ月朧  <飯吻>

 34)何度でも往復ばかり毛糸玉  <風子>

 35)川波や春は靜かに何処より  <弓人>

 36)何よりの母の笑顔や梅寒し  <四度>

★37)何も無き日の過ぎにけり春はじめ  <DORA>

     *原句は「何も無く日過ぎてゆく春はじめ」

 38)恋猫の何がナニして何とやら  <尚々>

 39)何気ない貝母の花の楚々として  <桃桜>

○40)捨て猫の何恐るるか瞳の濡るる  <たまご>

 41)何処の子かしきりに蝌蚪の水たたく  <澄湖>

 42)春の泥土産に何処へ猫の足  <青空>

○43)何色に染まりゆくらむ巣立ち鳥  <悠>

    以上、選出句は43句でした。


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