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第12巻埋字しりとり5句目 2004.01.20

春動く大工仕事の調子良し

<茜>



「子」の題で、人間の子どもや動物の子がすぐに思い浮かぶのはごく自然ですが、それを離れて「調子」という言葉に飛躍させたところがよかったと思います。しかも、いかにも春が動き出した感じが「調子よし」で上手く出ました。この巻は、晩秋から冬を経て、そして春に向かって大きく動き出しました。

        <寒太>


【寒太俳句噺(70)】


俳句をはじめて間もない人からよく、「俳句が手っ取り早くうまくなるには、どうしたらいいでしょう」という質問をされます。これに答えるのが、いちばん困ります。俳句は「手っ取り早くうまくなる」方法などありません。やはり他のものと同じように、ある程度つづけることです。そういうなかで、徐々に自得していくしかないでしょう。誰もが「手っ取り早くうまくなって」いたら、誰もがみんな、すぐにうまくなっているでしょうから。





さて、第12巻・5句目のお題

「子」の選考経過です。


最終選考に残った句には★、ほかに◎、○、無印、の4種で、予選結果を掲げます。
旧仮名遣いと現代仮名遣いが混在している作品は旧仮名に統一し、
単に仮名遣いが間違っているものは、直してあります。

○1)霜柱待ち伏せしてゐるいじめつ子 <ルナ>

○2)蝋梅や女子高校のマリア像 <悠>

○3)ゆづり葉や子へ伝へたきこと胸に抱く  <たまご>

○4)子は鎹猫も鎹冬温し <尚々>

○5)生菓子の花びら崩す春障子 <きらきら星>

 6)我孫子沼冬鷺静止時の過ぎ <寿々女>

○7)長椅子に沈みて夢見山眠る <ゆらぎ>

 8)幼子の真中となりし三が日 <釣人>

 9)福寿草笑みの零るる親子づれ <かっちゃん>

◎10)手袋の子狐こんこん影絵かな <風太>

 11)雪野原足で絵を書く子らもいて  <sikinodesi>

 12)凍てつく夜媼の歌う子守歌 <ぱろぱろ>

 13)片方づつの靴履く双子の年始客  <瑞葉>

○14)恋未満等間隔の子鴨たち  <山法師>

○15)英語塾毛糸帽子に赤き脛 <青い鳥>

○16)しんがりを歩む子やさし春隣  <美加>

◎17)人住まぬ庭に鬼柚子二つ三つ  <ガス灯>

○18)縁側の枕草子春隣 <麦秋>

○19)探梅や鞠子の里の土手の道  <DORA>

 20)子が示す雪のくぼみや蕗のとう  <保母 保>

○21)雪ん子になりそこなって空仰ぎ  <守隨秀章>

○22)東京に住んで道産子雪祭り  <あん>

○23)冬うららわが車椅子に孫遊ぶ  <秋桜>

 24)浅春のゆるびの射して紅格子 <弓人>

 25)山間の硝子細工や軒氷柱  <仲々>

 26)寒の中一人息子が試験受け  <暇船>

 27)江戸つ子のニ三のをりし柚子湯かな  <他石>

○28)トラックの荷台に子牛空っ風  <千絵>

○29)子の丈に屈みて見上ぐ冬銀河  <TOPPO>

○30)眠る山お菓子のような白い家  <あや>

◎31)寒泳の子は爪先で立ち去りぬ  <emio>

○32)熱の子の荒き息きく寒の夜  <四度>

 33)怒られて泣く子の鼻先雪留まる  <稚笑>

 34)駆け抜ける毛糸の帽子と白い息  <ぱろぱろ>

★35)春動く大工仕事の調子良し  <茜>

 36)ひとり子子犬とあそぶ雪合戦  <風子>

◎37)冬日向亀の子束子干されけり  <飯吻>

○38)夢うつつポインセチアは椅子の上  <北北西>

    以上、選出句は38句でした。


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