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第12巻埋字しりとり3句目 2003.12.22

一線を越える越えない雪女郎

<あや>



今回の決定句は「一線」に絞りました。上掲のあやさんの句のほかに、麦秋さんの「一線を越へて奈落や冬の蝶」のどちらにしようか最後まで迷いました。面白さとしては「雪女郎」、重厚さを採れば「奈落」。結局、前の句が「菜根譚」でかなり重い句なので、今回はユーモラスでドラマチックな「雪女郎」にします。

   雪の夜パウルクレーの線描画  <寒太>


【寒太俳句噺(68)】


東京・神田に○○書院という、俳句専門の古本屋さんがあります。そこの店主Yさんと話しました。このごろ俳句の古典や句集を求める人が、めっきり減ってしまったそうです。句集出版はとても多く、巷に句集があふれているのに、その反面、本を読まない人も増えてきたからだと聞きました。淋しいことですね。





さて、第12巻・3句のお題

「線」の選考経過です。


最終選考に残った句には★、ほかに◎、○、無印、の4種で、予選結果を掲げます。


○1)沿線の大売出しや旗点々 <たまご>

 2)省線の西には雪の富士の山 <尚々>

○3)冬の日のG線低きアリアかな  <TOPPO>

○4)蒼天や稜線淡く冬茜 <山法師>

 5)五線譜に永久に生きるやビートルズ <Chojiro〜>

○6)廃線となる駅掃きし老婆かな <悠>

○7)どこまでも線路の続く冬の海 <きらきら星>

○8)冴ゆる空飛行機雲の線崩る <風太 >

○9)生命線長きがたより薬食い <DORA>

 10)放物線短き軌跡冬日向 <千絵>

○11)脚線の太さのままに冬ブーツ  <弓人>

○12)光線に舞ふ極月の大バッハ <真砂>

○13)声明を五線譜に載せ冬安居  <たぬき囃>

○14)夜咄の脱線ばかりや睡魔よぶ  <美加>

○15)等圧の線縦じまに冬模様 <釣人>

 16)手相見の生命線まで伸ばしたり  <ルナ>

 17)歳末や肩を寄せ合うカウンター  <Chojiro〜>

○18)あごの線身体の線や年惜しむ <あん>

★19)一線を越える越えない雪女郎  <あや>

◎20)一線を越へて奈落や冬の蝶  <麦秋>

 21)電線にまるまる太りし雀かな  <青い鳥>

○22)傍線の多きメモあり歳の暮れ  <ぱろぱろ>

 23)水平線越ゆるは夢となりて冬  <かっちゃん>

○24)新線の駅名決まり年暮るる <せつ>

 25)線引きを雪の上にして遊びをり  <かめ>

○26)やわらかき視線の中や冬雀  <ゆらぎ>

     *原句は「やわらかき視線の中に冬雀」

○27)即興詩五線譜にのせクリスマス  <ガス灯>

○28)身延線父乗せ母乗せ札納め  <他石>

 29)線香の煙盗みし暮の寺 <遊俳夢>

 30)冬青空線審の手の眩しかり  <飯吻>

○31)すばらしき曲線描きやっこだこ  <かっちゃん>

○32)身の何処か線香匂い日向ぼこ  <北北西>

○33)地平線サハラサラサラ冬の風  <稚笑>

 34)蕪村忌や飛行機雲の細き線  <ふみゑ>

 35)琴線に触れし大鷹神の杜  <寿々女>

○36)柔らかに線崩れゆく柚子湯かな  <四度>

○37)入線の列車黒ぐろ寒の月  <信天翁>

 38)点線のように出してる年賀状  <仲々>

 39)クリスマス幼き線のクレヨンの花  <瑞葉>

 40)冬の朝真白き富士の線画かな  <桃桜>

○41)日に一度路線バス来る雪囲  <萌>

 42)手のひらに点と線との初の雪  <ともこ>

    以上、選出句は42句でした。


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