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第12巻埋字しりとり1句目 2003.12.09

コトコトと冬菜切る音目覚めけり

<釣人>



いいですね。まだ夢うつつの床のなかで、妻が朝餉の支度をする「冬菜」を切る音を聞いているのですコトコト、コトコトと、そのリズムの音で目が覚めたのです。平凡な生活のなかの幸せをかみしめています。原句は「コトコトと冬菜切る音に目覚めをり」でしたが、少し直しました。

   初蝶に子を攫はれし山の音  <寒太>


【寒太俳句噺(66)】


俳句はジグソーパズル。なんていうと、本気で俳句を志している人たちに叱られそうですが、でも似ています。5ピース、7ピース、5ピースの言葉がきっちりとはまり、お互いにすき間なくはめ込まれた快感は、ジグソーパズルが入った一瞬のよろこびがあります。俳句は、まず5・7・5音に、ピタリとはまった気持ちのよさ、それを実感することからはじまります。





さて、第12巻・1句のお題

「音」の選考経過です。


最終選考に残った句には★、ほかに◎、○、無印、の4種で、予選結果を掲げます。


 1)寒の音伝わりて今朝の雀二羽 <悠>

○2)信頼の音たて崩る年の終 <山法師>

○3)暗幕に音符の踊るクリスマス  <信天翁>

 4)極月や音沙汰無しの悪友ら <北北西>

★5)コトコトと冬菜切る音目覚めけり <釣人>

     *原句は「コトコトと冬菜切る音に目覚めをり」

○6)荒海の音を集めて浪の花 <弓人>

 7)冬耕や一日川音背に纏い <澄湖>

◎8)靴音のとんがって来る十二月 <きらきら星>

 9)音と絵に酔いしれている12月 <Chojiro〜>

 10)音やみて枯れたる町に歳の逝く <たぬき囃>

○11)枯れ菊を束ねる音や暮れ近し  <青い鳥>

○12)新海苔の乾き天日の音たつる <萌>

○13)冬木の芽幹にかすかな音を聞く  <美加>

○14)一年の声音眠らせ初雪華  <TOPPO>

 15)友よりの音信もあり冬の朝 <DORA>

 16)弱音にもやさしき言葉冬構え  <ルナ>

 17)白鳥の 羽音の止みて 日の暮るる  <飯吻>

 18)爆音のとどかぬ街やサンタ来る <ガス灯>

 19)イヴの音母娘で聴きて涙かな  <秋櫻>

○20)年の暮れラッパの音とタンバリン  <仲々>

 21)福音の多病息災日向ぼこ  <寿々女>

○22)観音の御衣にすがる冬の蝿  <たまご>

 23)年の瀬の早朝バイクマフラー音  <暇船>

○24)きしきしと白菜の音冬の晴 <山法師>

○25)極月や映写機の音からからと  <真砂>

 26)鬼平の音羽牛込夜警かな  <他石>

 27)寒菊を活けて眺める楽日かな  <青い鳥>

○28)雪催遠くで固まる音やする  <稚笑>

 29)冬の水水琴窟の音色かな <千絵>

○30)空っ風ふと止み無音のひとりぼち  <瑞葉>

 31)サイレンの音で目覚める師走かな  <ぱろぱろ>

○32)冬桜シャッター音のしてふたり  <ゆらぎ>

◎33)綿虫へやさしき御目の観世音  <せつ>

 34)冬の夜や友の音の句読みており  <かめ>

 35)音もなく降る雪といふ便りあり  <四度>

 36)かくれんぼ落葉踏む音聞こえけり  <青空>

○37)まばたきの音聞こゆるや冬の星  <風太>

 38)木枯らしに帽子ころがる音あるや  <かっちゃん>

○39)音も無くビルを見おろす冬の月  <尚々>

 40)咳の音去りて熟睡得たる朝  <悠>

◎41)イマジンを音高く聞く寒夜かな  <遊俳夢>

    以上、選出句は41句でした。


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